50年代半ばに生まれた著者が、アメリカの公文書を読み解いた粘りは素直に評価できる。
公文書から知り得ることの限界にも言及しており、好感が持てた。
本書には資料的な価値があるだけでなく、
人物にまつわるエピソードも挿入されている。
そのことで、読み物としてかなり面白い展開になっている。
学者の本にしては、記述もまずまずなめらかである。
本書によれば、戦後CIAに名を連ねた日本の参謀たちは、単にアメリカに隷属したのではない、
彼らはアメリカに利用されたが、彼らなりにアメリカを利用しようとし、
一定の理念や目標(のようなもの)を持っていたというが、はたしてどうであろう
(個々の人物によって温度差はあるはずだが、そこまでは紙幅の制約もあり言及できない
ということかもしれない。あるいはそれを書くだけの資料が残っていないということか)。
アメリカが公文書を公開するという行為は、必ずしもフェアではない。
むしろそれ自体が情報操作となっている恐れは十分にある。
そういう見方をすれば、本書の読み方もまた違ってくるだろう。