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大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)
 
 

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫) [文庫]

堀 栄三
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (44件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

大本営情報参謀から戦後に自衛隊情報室長を務めたプロが、体験を通して情報に疎い日本陸軍及び日本の組織の構造的欠陥を告発する

内容(「BOOK」データベースより)

「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」―太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を剔抉する。

登録情報

  • 文庫: 348ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1996/05)
  • ISBN-10: 4167274027
  • ISBN-13: 978-4167274023
  • 発売日: 1996/05
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (44件のカスタマーレビュー)
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46 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pine
形式:文庫
大本営の情報参謀が、戦後40年近くの沈黙を守って、戦中情報がどう扱われたか、の体験を語る貴重な本.さぞ酷いものだったか、という話かと思えば、著者自身を始め、個々には諜報・情報の重要性を認識し、分析に長けた参謀もいなかった訳ではない.だが、システムとしては全く戦争国とは思えないものだった.行間から伝わる著者の嘆き・静かな怒りは、時に心を打つ.著者は引揚げ後、山下兵団の記録を書き綴り、父親から「負けた戦を書いて銭をもらうな」との叱りを受け、何十万もの声なき戦没者を慮り、沈黙を守ることになる.個々は別として、全体としては未だまともな諜報・情報機関を持たない戦略なき国家は、いつになれば著者の警告を受けとめることができるのだろうか.戦没者の無念を思う時、現状はあまりに悲しい.
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39 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By rick
形式:文庫
この本は、何度も読み返しているが、その価値のある一冊だろう。旧陸軍海軍での事柄という概念ではなく、現代においても”情報音痴”といわれる日本人の江戸時代以降の伝統的(明治維新から日露戦争の時代を除く?)な意識と思考形態が、どれだけ国家や組織に損失を招くか、ということを明瞭に語っている。今のインターネット時代、情報戦といわれるが、情報とは何なのか、この著書の中でも「形を見てはいけない、本質を見よ。」と述べられ、「情報は、常に作戦に先行すべき」とか、「戦略的失敗は、戦術的成功で、回復できない」など、多くの示唆に富む言葉がある。情報関係に携わる人間はもちろん、企画やマーケティングなどのビジネス担当者にも、必読の書と信じる。
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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
大本営モノの書籍は多いが、なかでも秀逸の面白さだと思う。
大本営情報課参謀の随想録である。 著者はエリートの『作戦課参謀』ではなく、その横で対米の情報分析(戦果、兵力、戦術、米国経済の動きなど)を行っていた『情報参謀』であり、大本営のなかでも非主流であったため、却ってきわめて客観的に、冷静に、対米情報を分析し、かなり正確な理解をしていた。 本書を読むと、『大本営は情報戦を徹底して軽視し、米側の情報はほとんどつかめていなかった』という通念は、半分は正しく、半分は間違ってるとが分る。情報が軽視されていたのは事実であるが、それは作戦課のスタンスであり、情報課はそれなりの情報をきっちりつかんでいたということだ。残念ながらその情報力が決定的な場面で活かされることはなかった。

台湾沖の会戦での大戦果を作戦課が既成事実化しようとしたのに対し、著者は現地に赴き実際は戦果はほとんどなかったことを確認するも、その報告は多くの作戦参謀たちには受け入れられなかった。また、戦争末期には対米での通信傍受やB29のコールサインの識別もかなりのレベルに達しており、原爆投下に際し、正体不明のB29が飛び立ったところまでつかんでいた。それどころか米軍の本土上陸作戦(実際には実行はされなかったが)の上陸予定地点も正確に予測していたという。

これらの情報が適正に作戦に反映されていれば、敗戦は免れなかったとしても犠牲は減らすことができたかもしれない。情報課はGHQが来る前に機密書類を徹底して焼き捨て、陸軍の名簿を改竄する等して、その存在を消すかのように隠遁生活に入ったらしい。故に彼らの具体的な活動レベルは長い間ヴェールに包まれていた。不都合な事実を国民に隠匿し過大な戦果を発表し続けた大本営の中でも、情報や戦果の客観分析をしている参謀の活動の実態が戦後かなりたってから本書により明るみに出た。衝撃の一作と言っていいと思う。
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