昭和16年12月8日、ハワイ真珠湾攻撃やマレー半島上陸作戦によって始まった太平洋戦争。作戦は極秘裏のうちに計画され、大本営内ですら作戦内容を知っていたのはごく限られた作戦関係者だけであったという。
開戦に至るまでには、アメリカなどの敵国はもちろん国内に対しても計画を知られないよう、厳重な情報管理がなされていた。大きなリスクを負った奇襲作戦が事前に敵国に察知されれば、作戦が失敗することはもちろん、相手方の先制攻撃により大打撃を受けることが予想されたのだ。大本営は念入りに計画を立て、様々な偽装工作を行い、その裏で攻撃の準備を整えていった。
しかしながら、作戦準備が滞りなく行われた訳ではなく、大本営に衝撃を与えるような事件もいくつか起こった。本書は、そうした事件を中心に、開戦直前の動きを高まる緊張感とともに克明に再現し、開戦に向けて軍の現場で起こっていたことを明らかにしていく。
勝算の乏しい戦争へと踏み切らざるを得なかった日本。刻々と開戦に向かう緊迫の日々を冷静に描いた密度の濃い作品。