よく「神は細部に宿る」などと言うけれど、この映画の作りは、細部がなんだか本当に「いい加減」に作ってあって、そこがまず良かった。その「いい加減」さの乗りのトーンを整えているのが主演の2人と現世で脇を固める役者達で、樹木希林と片桐はいりの掛け合いには有難ささえ漂ってくる。
入った後の地獄の世界も、なんかもう「いい加減」さ満載で、まぁ基本的な構成は崩れていないから安心して見られるのだけれど、「そんな乗り?!」とか「どんなルールなん?!」とか、恋人と突っ込みながら見る映画だよなぁ、と思います。
もちろん、いい加減だけでは小説も脚本も映画も成立しないので、地獄甘エビの前振りとか、「赤鬼」と「青鬼」の基本的なカラー(「色」のみならず、「キャラクター」のそれ)とか、温泉に来た時に舟上でうなだれている2人の前振り、金銭感覚の格差や兄弟姉妹の多さから匂う先進国と開発途上国の関係とかはしっかりしていて、最後は「愉しんでいただけましたか?!」という原作者と監督の笑顔が浮かぶかのようです。
最初は「なんか切れ味の悪いタイトルだよなぁ」と思って見始めましたが、観終わった後にはそれも含めての演出だったんだろうな、と思い、逆に本も見たくなりました。この作者なら、表紙とか、裏表紙とか、色々小細工してそうだものな、と思わせられたので。
という訳で、乗りとツッコミと、涙と感動を通過して、笑顔と期待が残り、値段的にも満足できるので☆5つ。