面白いとのレビューを信じて見始めましたが、前半は話がまとまらなくて、テーマ音楽もボヤー、韓ドラのB級品に初めて出会ったかと思ったのですが、中盤から話がつながって来て、後半は相当に惹きつけられ、最終話は感動しました。
『チュノ』ですさまじい生きざまを演じたチャン・ヒョクですが、本作はその8年前の作品で、心やさしい青年チェヨンを演じています。韓国時代劇がこういう欲のない若者と彼を取り巻く善意の人たちを丁寧に描くことができることに少なからず驚きました。普通にはとても地味な世界をメインテーマにしているからで、その意味で本作は韓国の良心。もちろん面白くする為の工夫は健在で、悪の道に走る兄のシヨンは、なぜそう生きてしまうのか分からないと言う彼自身の独白が何度もあります。チェヨンの恋人のヨジンは『善徳女王』のイ・ヨウォンで、この人は本当にうまい。役になりきって、その存在感で本作の柱になっています。
最後は韓ドラの習性で、誰かが死ぬことになるのですが、本作では生きていてほしいと願った二人は命をつなぎ、理想の世界へ向けて動き始めます。好きな人と平和に暮らすのが理想と言ったチェヨンですが、自分たちだけでなく周りの人もそうならなければと主人公は成長していきます。
前半、演出も編集ももうひとつで締まりがなく、四点としましたが、人の心の深い部分、苦しい部分を悪役のシヨンに代弁させながら、心の理想を描いた本作は韓国時代劇の中でも特異で、非常に魅力ある作品です。