写真も豊富であり、なかには初めてカラーで見る大拙もあり興味深かった。生い立ち、交友、ビアトリス夫人、お手伝いさんのおこのさん、鼎談、各界から寄せられた大拙の人となりなどなかなか読み応えのある一冊である。
なかでも唐木順三氏の「大拙翁の妙」と題された一文がひときわ評者の目を引いた。大拙の人となりから、思想の核心に至るまで実に闊達で軽妙な筆致で、7ページと短文ながら余すところなく描ききっているところ、只者ではないと舌を巻いた。ことに大地と霊性についてまさに正鵠を射ている指摘に大いに首肯するところだった。
『思い出の小箱』『相貌と風貌』(写真集)『道の手帖 鈴木大拙』『大叔父鈴木大拙からの手紙』林田久美野
『世界の禅者』秋月龍王民(みん)も参考になるだろう。