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大戦勃発〈1〉 (新潮文庫)
 
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大戦勃発〈1〉 (新潮文庫) (文庫)

トム クランシー (著), Tom Clancy (原著), 田村 源二 (翻訳)
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権力とは喜ばしいもの。それが絶対的権力ともなれば、喜びもまた絶大である―― しかし、権力も地球最大クラスのもので、その地球が時限爆弾のチックタック音の聞こえるような状況となれば、喜んでなぞいられまい。CIAの「闘士」から合衆国大統領に転じたジャック・ライアンがおかれているのは、まさにそんな状況だ。雄大なスケールのこのスリラーで、ライアンは、アジアの狂気じみた将軍やロシア人の殺し屋、どこに潜むかわからぬ原子力潜水艦を相手に、もっか身動きもままならない状態なのだ。それに、登場人物の行動の目的が極めて単純明快なのにひきかえ、出てくるコンピューター・テクノロジーときたら10億分の1秒レベルの複雑さときている。「緊急事態だ、おまえイージス・ミサイルの索敵弾頭ソフトのリプログラミングができるか?」――あなたがジャック・ライアンなら、これができるプログラマーを探し出すべきだろう。さもなくばパレードの列に、弾道ミサイルの死の灰が降ることになる。再選には不利な事態である。「本当はこの仕事あまり好きじゃないんだよ」――ライアンはアーニー・バン・ダム補佐官に弱音を吐く。返ってきた言葉はこうだ。「どうせおなぐさみの仕事じゃないだろ、ジャック」
楽しめる小説であることに間違いはない。1000ページを超える長さだが、一気に読めてしまう。なにしろのっけから、メルセデスの防弾自動車に乗ったロシアの諜報部長が、手動発射式RPGロケット(ロケットで飛ばす榴弾)で吹き飛ばされそうになるときている。ライアンが放った腕利きの秘密工作員から、ロシアの諜報部長の代わりにロケットで飛ばされたのは「ラスプーチン」の異名をもつアブジェンコという悪党だ、との報告が入る。これはKGBで売春専門の女スパイを養成する「スパロウスクール(スズメの学校)」をとり仕切っていた男である。事件後間もなく、犯人とおぼしき2人の男が、サンクトペテルブルク市を流れるネバ川に手錠でつながれて浮かんでいるのが発見された。顔はまるまるとむくんで。
深まる謎につれて、ストーリーも緊迫の展開をみせる。シベリアの地に膨大な油田と金鉱が発見され、中国の経歴不明な悪辣首相、ジァン・ハン・サンは、北方への権勢欲をむき出しにする。ひそかに準備される事件に絡む、免職処分になったソビエト軍の元幹部や、天安門事件反体制派の新世代たち、ダニエル・スティールの大ファンで、策略家のジァンの事務総長、リァン・ミン。新技術に明るく、インターネットポルノ中毒のCIA工作員チェスター・ノムリ。彼は日本製コンピュータのセールスマンに化けて中国に侵入している。ノムリはCIAの上司メアリー・パット・”カウガール”・フォーリに電子メールを送る。ドリーム・エンジェルの香水と、通信販売で取り寄せたビクトリアズ・シークレットの緋色のランジェリーで、ミンを「落とす」段取りだ(むろん、神と祖国のために)と。そのミンは、ノムリを「同志」ではなく「マスター・ソーセージ」と呼ぶようになる。そもそもいったい誰がミンの「マスター」になどなれるものか?
ストーリーの組み立てのうまさは超一流だ。地球中を舞台にしたあっと驚くようなサブプロットが絡まり、数ページごとに頭脳明晰な人物たちが新たに登場しては互いの知性の競い合いをする。しかも著者は、各所にちょっとした見解を淡々とはさむことも忘れてはいない。共産主義のいやらしさ、大統領の権限に対する許容しがたいマスコミの介入、毛沢東の性的倒錯、ロシア製拳銃消音装置の質の悪さ(「鋼綿の詰まった缶カラみたいなクズで、10発も撃たないうちに壊れてしまう」)、相手の喉をナイフでかき切るのは馬鹿げているということ(「そんな殺し方では、倒れるときにドサッと音がしてしまう」)、などなどである。つまり本書は、戦場さながらに、読者の気をそそる精密な戦闘用器機に満ちあふれているというわけである。クランシーの小説があったら、アクション映画を見に出かける必要などあるだろうか。 --このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。


内容(「BOOK」データベースより)

モスクワで、高級売春組織の元締めの車が爆破された。実行犯らしき男たちの溺死体はすぐに発見されたが、犯人も動機も不明。一方米の台湾承認を憤る中国政府は、通商交渉での強硬姿勢を崩さない。しかし日本人営業マンとして政治中枢に潜り込んだCIA工作員が、前代未聞の情報漏洩システムを完成させていた。再選を果した大統領ライアンは、ついに現れた真の敵に敢然と立ち向かう。

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5つ星のうち 1.0 クランシーの極限に達した作品, 2002/4/22
このレビューの引用元: 大戦勃発〈4〉 (新潮文庫) (文庫)
アジア人蔑視がエスカレートした感がある。
日本版ではその部分を抑えて訳しているが原著では、差別語の連発である。(中国人に対してSlant eyes, Yellow etc. 当然、ロシア人に対しては差別語は見られない)
"日本人"エージェントの名前も訳者により変更されているが、原文に忠実な方が著者の他文化に対する理解の程度を表していてよかったかもしれない。

小説中、黒人と白人の”和解”らしきものがあるが、これはアメリカ国内の読者対策であり本質的に彼は人種差別主義者なのか。

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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 ジャックライアンシリーズは初めてかまだ2作目という人には楽しめると思います, 2004/4/14
By カスタマー
 本作のよい点は最後の爽快感です。いつものように最後に大逆転劇があります。しかも正義が悪を打ち負かします。

 反面、本作の悪い点は、他のジャックライアンシリーズと同じワンパターンであるということと差別的表現です。本作のいいところでもあるわけですが、今回も正義が最後に大逆転するパターンです。また今回もヒーローは徹底的に善の存在へ、敵は徹底的に悪の存在へ仕立てあげられています。悪の存在であることを強調する手段として差別も用いています。アジアや時には日本を軽蔑する表現も所々で用いられます。
 読者がジャックライアンシリーズに期待するにはまさにこういうパターンなんでしょうが、最後の爽快感も回を重ねればそれほど爽快ではなくなり、日本人である私にとっては差別表現の不快感が爽快感を埋め合わせてあまりあるようになって来ました。

 結論、私ならジャックライアンシリーズは初めてか1作しか読んだことがない人にはお勧めしますが、2作以上読んだ人にはお勧めしません。(初めての方にはこちらより傑作「レッドオクトーバーを追え」がお勧めですが。。。)

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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 がっかり, 2003/1/7
本作には正直がっかりしました。 長くなる一方のクランシー作品。ほとんどは前半に積み上げられる些かダルイふせんに費やされているのですが、その緻密さと知識に裏付けられた内容、そしてそれらが終盤に向かっていっきに収束、爆発していく語り口に最後は満足していたものでした。 しかし本作にはあまりに多くの小話や無知からくる差別的発言等、作品には不要と思われるクランシーの世界観とも言えるものがうっとうしいほどに顔をだし、気持ちよく読み終える事ができませんでした。 少なくともペーパーバック4冊分も払ってまで読む価値はないと思います。

無駄を排して最初の3冊を2冊位にまとめてあればまた違ったレビューになっていたでしょう。

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英語の勉強のつもりで読みました。日本語版も併用すると良いと思います。日本語訳では納得できない部分もあるので、興味のある方にはお勧めです。これを読むと、かなり危険... 続きを読む
投稿日: 2002/4/21

5つ星のうち 3.0 話全体としてはなかなか面白いですが…
話自体は独特のスリルがあって引き込まれるものがあります。
ただ,中国側の表現の際に明らかに相手を侮蔑するような感じを受けるのはいかんせんどうかと…。
投稿日: 2002/4/18 投稿者: thirdstage

5つ星のうち 3.0 21世紀技術と20世紀技術の戦争
米国からの市場開放要求を蹴り、経済的行き詰まりを打開するために、中共はシベリアで発見された油田と金鉱を占拠しようとLong... 続きを読む
投稿日: 2002/4/18 投稿者: 北都シンザ

5つ星のうち 2.0 ちょっとばかり不満
トムクランシー作品買いつづけているので購入したが
期待はずれの作品だった。
太平洋戦争前夜に生じていた日米、アジア諸国の軋轢をそのまま
米露中... 続きを読む
投稿日: 2002/4/14

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