ある日。
北極の調査をしていた科学者の一行は、エスキモーの住人と共に不吉なキノコ雲を見た。
だが、その地点からほど近い場所から一匹の巨大な亀が出現した!・・・それが、「悪魔の使者」として恐れられた大怪獣ガメラの復活だった・・・。
東宝が誇る、怪獣王ゴジラの誕生から11年。東宝の独占だったこのジャンルに、「亀を空に飛ばせ!」という「永田ラッパ」こと永田雅一氏の檄ラッパを得て旧・大映は敢然と挑戦した。『大郡獣ネズラ』の失敗をバネに、彼らは独自の怪獣を生んだ。
それはモノクロながらも、アニメを多用した独自の映像感を披露した。またSFものに造詣のあった高橋二三氏と、『宇宙人東京に現る』にも参加し井上梅次監督の下で特撮のノウハウを蓄積した湯浅憲明監督は苦難を乗り越え見事に映像化しその後の黄金コンビを確立した。
そして、シリーズを語る上でも重要な名場面。灯台での一連の映像はウケやその後のシリーズ化を狙ったものではなかったが、それがシリーズのイメージを決定づけていた。それは、次回作に繋がってしまうラストシーンにもその影響が出ていた。
それでも独自のスタイルをもった一匹の亀は、怪獣王と真っ向から戦えた唯一の大怪獣として会社の激動を経ながら今も君臨している。
1954年の『ゴジラ』と共に、原点の回帰をこめて気を引き締めてご覧いただきたい。