まずはこの作品を復刊してくれたエンターブレインに感謝!
人間界のあらゆる平面を管理する「平面管理委員会」。文字、絵画、写真など、この世界の全ての平面は彼らによって管理、調整されているのです。主人公は奔放すぎるその性格ゆえにある事件を起こし、委員会を追放された行動局員セーナと、事件を通じて知り合った(恋人の?)広告マンの宇田川。ふたりはセーナの身分回復のため、平面とそれを管理する局員にまつわる犯罪の解決役を引き受けることに。いくつもの犯罪を解決するふたり。しかし、一連の事件を通じて彼らは大きな陰謀に巻き込まれることに―――
大胆なアイデア、魅力的なキャラクター、巧みなストーリー展開。知的でありながら、その頭の良さが小難しさや嫌味になっていないスマートな雰囲気がこの作者、岡崎二郎ならではなのです。あえて言うならば、かつての藤子・F・不二雄の正統後継者というべきでしょうか。どきついインパクトに頼らず、知的洗練をもって読者に読ませるその作風は、漫画の正統なあり方と言うべきでしょう。
奇想に満ちた本格のSF漫画です。その洗練されたセンス・オブ・ワンダーは時代の経過など問題にしません。もしあなたが漫画が好きというならば是非読まなければならない一冊です。漫画を読むということが知的体験であるという本来のあり方を見失わないためにも。