1961年にドイツで初巻が発売された週刊ペースの長編SFの日本語訳です。
複数の作家によるリレー小説という形式で40年以上も破綻する事無く続いている小説は、他に類を見ません。
各々の作家の個性を生かしながら物語全体の流れを破綻させないようにするため、あらすじを作るプロット
作家チームを置き、そこで作られるプロットを基に各々の作家が肉付けをし、物語を完成させる方式を採用
したのが功を奏しているのでしょう。
原書のドイツ語版は現在2000巻(日本語版の1000巻に相当する)を突破し、なおも続いています。
残念ながら日本語版は翻訳が追いつかず、今日現在で323巻(ドイツ語版の646巻)までしか翻訳されてい
ません。
とは言え、300巻を超えているのは相当な物量で、初めての方には「全部読むのはつらい。」と思われる人
も多いかと思います。
でも大丈夫、ストーリーの流れが25巻あるいは50巻単位で一纏まりになっていて途中からでも読み始めら
れる工夫がされているからです。(この一纏まりはサイクルと呼ばれています)
例えば、1〜25巻は「第三勢力サイクル」、26〜50巻は「アルコン帝国サイクル」など、サイクル単位で
ストーリーが一段落するので、興味のある方は途中からでも読んでみてはいかがでしょう。
翻訳体制に関して当初は、故・松谷健二氏ひとりで翻訳されていましたが、現在では数名のスタッフによる
翻訳で月に1巻(ドイツ語版の2巻分)が発売されるようになりました。
最初の頃の巻は約40年前に執筆されたものなので現在の感覚からすると古くさい感があるかもしれませんが、
それはそれでまた一興ではないでしょうか。
恒星間航行をする宇宙船の通信用スクリーンが、スイッチを入れてから明るくなるまで時間がかかる場面など
を見ると、その当時の実際のテレビもそんな感じだったんだなぁと、執筆された当時の生活感をかいま見る事
が出来たりします。
長く続いている小説だけに、いろいろな楽しみ方があると思いますので変な垣根を作らずに気軽に読んでみて
はいかがでしょう。
ただ、私にとって残念な事は、「日本語版が私の生きている間には完結しないだろう。」と言う事です。