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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
よく暴けたとおもう,
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レビュー対象商品: 大学病院でなぜ心臓は止まったのか (中公新書ラクレ) (新書)
一つの内部告発から、読売新聞の社会部記者達が、慎重に慎重にことをはこんで、最終的には、壁の高さは誰にも想像がつく大学病院の、極めて専門性の高い心臓 外科の手術のあやまちを明らかにした。 相当の努力、相当の議論、様々な困難は、この本からはもちろん想像されるが、 小説ではないノンフィクションだからか、若干淡々とした記述に終わってしまっ たような気がしないでもない。逆に、気負ったところなく、極めて客観的に記述 しようとしているところに、社会部記者のいい意味でのプライドを感じる。 大学病院が、患者を「教育」の名を借りたモルモット、トレーニング材料扱いし ているのではないか、と言う思いは、現実に大学病院にかかったことのない一般 人にも強い。一方で、重篤な病ではなくとも、身内には少しでもいい医療を受け させたいと思うのは人情である。そして、いい医療→高度な医療→最高学府での 医療、と言う思いになって、すがる気持ちで大学病院の門を叩く。 大学と言うだけでも敷居がたかいのに、まして大学病院となれば、その医者たる や神さものような存在に思えるにも関わらず、その内情はなんともお寒い限りで あることがあからさまにされた。 現状まだまだ医者の世界は閉鎖的だが、今回の事件をきっかけに、手術室の様子 がビデオ撮りされたり、ライブでみれるようになったことの意味は大きいだろう。 一方で、誠実で一生懸命な医者の少なくないことも知っている。彼らまで、いわ れのない訴訟の可能性に脅えているのも事実としてある。 大事なことは、ディスクロージャ。情報の公開なんだなぁ。 きちんとした記録を残すことと、情報を徹底的に公開すること 大学だけではなく、役所など、力を持つものに求めるのはそこなんだなぁ。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
医局講座制度の罪,
By rijin (北海道札幌市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 大学病院でなぜ心臓は止まったのか (中公新書ラクレ) (新書)
まず、読み物としてのおもしろさを認めなければならない。匿名の内部通報者、名も知れぬ被害者、新たな被害者が生じるかも知れぬという焦燥。忙しい日常の取材活動の中から時間を割いて被害者を割り出し、通報者と接触する。医療訴訟の壁、カルテ改竄の可能性の憂慮、手術室という密室、大学病院のホームページに書かれたウソ、専門医という欺瞞。そして事態は被害者一斉の証拠保全から急展開し、第三者委員会の結論という苦いカタルシスに向かって進んで行く。もちろん、本書はフィクションではなく調査報道であり、その暴き出した医療を巡る問題は多岐にわたると共に、根が深い。中でも特異なのは、この事件で医局講座制度が果たした役割と、その下で発展してきた専門医制度の欺瞞であったかも知れない。患者の願いと乖離した価値判断に陥りがちな主任教授という立場、必ずしも臨床能力に対する担保となっていない専門医という資格の両者について、提出された疑問はあまりにも重い。 第三者委員会による結論と、大学病院側の対応によって、事件は一応の回答を得た。しかし、医局講座制度が本書が提示した疑問に応えていけるかどうか、問われるのはこれからの永い年月となる。 最後になったが、お亡くなりになった患者さんのご冥福と、ご家族の深い悲しみがいつか癒される日の来ることを願い上げ、本稿を脱する。
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