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大学教育について (岩波文庫)
 
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大学教育について (岩波文庫) [文庫]

J.S.ミル , 竹内 一誠
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

大学とは職業教育の場ではなく、専門知識に光をあてて正しい方向に導く一般教養の光明をもたらすところである。文学、自然科学、社会科学、道徳・宗教、芸術などの一般教養科目についてそれぞれの意義を述べながら、大学教育の原点と理念を指し示す。名高いセントアンドルーズ大学名誉学長就任講演。(解説=竹内洋)

内容(「BOOK」データベースより)

大学とは職業教育の場ではない。専門知識をよりよく使うためにも一般教養教育が必要である。文学、自然科学、社会科学、道徳教育・宗教、芸術など一般教養科目についての意義を述べ、真理に基づいて正しく行動する意志の涵養を説く。大学教育の原点と理念を謳う名高きセント・アンドルーズ大学名誉学長就任講演。

登録情報

  • 文庫: 177ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/7/16)
  • ISBN-10: 4003910117
  • ISBN-13: 978-4003910115
  • 発売日: 2011/7/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 0.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 大絶画 トップ500レビュアー
 ミルの演説は2時間におよび準備のために1年間を費やしました。
 彼の論理的で洗練された言葉、理解しやすいだけでなく聴くものの琴線に強く訴えかけます。それは翻訳からも読み取れるでしょう。当時の報道によれば演説終了後拍手が鳴り止まなかったそうです。
 現在の視点から見れば彼の考えが時代遅れになった部分はあるかと思います。ただ「大学」の存在意義が問われる限りミルの演説が廃れることはないと考えます。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書はミルがセントアンドルーズ大学の名誉学長に就任した際の講演を文庫化したものです。講演を書籍化したものは言葉遣いが平易なものの切れ目がなく、
内容のまとまりをとらえづらくなることがありがちですが、本書では見出し・小見出しや注、解説が充実しており、また講演自体の整然さもあって非常に読みやすくなっていますので、空いた時間などに手軽に読めます。

内容としては19世紀のイギリスの大学教育に関するものであるので、現代の日本人にはピンとこない点があり、
また各分野の専門性が高まり総合的な教養教育がさらに難しくなっていることは留意すべき点ではあります。
しかし、大きなテーマである大学における「教養」の問題に関しては、就職のための学歴を得ることが主で、
大学教育自体が軽んじられる傾向にある現代の日本においても議論されるべきトピックであり、示唆に富むものであると思います。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
セント・アンドルーズ大学(スコットランド)の名誉学長就任講演(1867)。

大学教育の目的は、教養ある有能な人間を育てることである。医学、法律などを専門に学ぶ機関はもちろん有益であるけど、大学では、それらの専門知識(道具)をよりよく使うための、一般教養教育が必要だという主張。

当時は、古典教育と科学教育のどちらを重んじるべきかという論争の時代だった。ミルは、これらは不可分の関係にあるし、どちらもおろそかにするべきではない、もしも古典の暗記ばかりで学生の貴重な時間を奪うような教育しかしていないのなら、それは教師の怠慢である、と言う。古典教育と科学教育を柱にして、政治、経済、法律、芸術や宗教教育の意義について、ミルほど公平に説得力のある説明をできる人はそういないだろう。

我々の目的は最高の人格を形成することであって、とか、良心というものは自分の生まれてきたこの世を去る前に、それまでよりも少しだけでも良いものにしたいと欲するものである、とかいう言説をとらえて、旧時代的だと言うこともできるかもしれない。しかしそれでも、この講演のもつ普遍性が損なわれることはまったくない。科学という立場、推測と検証により成果を少しずつ積み上げること、実験をする際には観察すべきもの以外の影響を可能な限り排除し、もしそれができない場合は、それらの影響を正確に見積もって自らの観測結果の精度を検証する、という姿勢が、教育的にいかに価値あることかを説く。

日本人にとってなじみの薄い宗教教育についても、これほど立場によって主張の異なり、どれが正しくてどれが間違っていると判断を下すのが難しいものはない、だから大学教育においては、誰がどのような主張をし、どのような論争があるのか、公平な立場で紹介し、後に各々が真に自分の信じるものを決めなければならなくなったときに判断できるような人格を形成することを目指すべきなのではないか、と言う。

これだけ各分野が細分化されている現代では、あらゆる学問を修めることは不可能であり、だから物事を正しく判断するためには、いろいろな学問の基礎だけでもおさえておくべきだ、という主張は、現代でも完全に通用する。大学教育を通じて、人生について深く、多種多様な興味を感じるようになった人の人生は、それまでよりもずっと価値のあるものになるだろうと説くミルの講演後には、拍手が鳴り止まなかったらしい。
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