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しかし、私自身海外の大学に勤務する者の立場として考えると、著者にボーダーレス化の概念が備わっているのか甚だ疑問である。本書は単に「沈みかかったタイタニック号の中で席の入れ替えをしている状態を克明に記録している」ように思えてならない。すなわち、本書の題名である「大学サバイバル」をどう行っていけばよいのか?に対するアプローチが、古い大学の概念の中だけでグルグル周っているように感じるのである。
学生からの教授への評価システム、ネットを使用した海外の大学との提携(衛星放送を利用したMBA取得システム)、イギリス式のエリート養成教育か、アメリカ式の産業競争社会への大学の組み込みか・・・日本の大学がサバイバルしていくには、本書であまり触れていないドラスティックな意識改革こそ必要なのではないだろうか。
著者が卒業したという早稲田(政経学科)とライバルの慶応に関する章は、本書の全体トーンとしての大学の客観的現状把握には馴染まない章であるように感じた。実はその章が一番面白く読めたのであるが、客観性を欠いたその章自体は別の著作にすべきだろう。
本書は、新聞記者の立場から、取材に基づいて、学生確保、学生の質の維持と教育、およびそれらへの今後への提言が詳しく述べられており、一読に値するものである。
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