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大学とは何か (岩波新書) 新書 – 2011/7/21

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いま、大学はかつてない困難な時代にある。その危機は何に起因しているのか。これから大学はどの方向へ踏み出すべきなのか。大学を知のメディアとして捉え、中世ヨーロッパにおける誕生から、近代国家による再生、明治日本への移植と戦後の再編という歴史のなかで位置づけなおす。大学の理念の再定義を試みる画期的論考。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉見/俊哉
1957年東京都に生まれる。1987年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環教授。専攻は社会学・文化研究・メディア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


登録情報

  • 新書: 264ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/7/21)
  • ISBN-10: 400431318X
  • ISBN-13: 978-4004313182
  • 発売日: 2011/7/21
  • 商品パッケージの寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 θ トップ1000レビュアー 投稿日 2014/12/21
形式: 新書
「大学の危機」や「大学改革」が叫ばれる今日、しかしそもそも大学とはどのような場で、どのようにしていくべきなのか。
そういったことを考えるには、そもそも大学というものはどのようにして作られ、そして変化してきたかを知ることが欠かせない。
本書は、前半では世界、後半では日本の大学の変遷をコンパクトに示してくれる。

大学そのものは中世の都市において始まったもので、例えばボローニャ大学やパリ大学などが有名である。
最初の大学は学生や教師の組合団体・互助組織であり、建物を持つわけではなく教師団は自由に移動できる存在であった。
内容は、神学・法学・医学を上位に置き、加えて自由七科を扱うものであり、キリスト教の正統を受け継ぎつつアリストテレスの成果を広げていくものであった。
大学は十三世紀に爆発的に増加するが、知的な発展はその後ほとんどなされずに、守旧的な状況へと陥っていく。

このような「大学」を批判したのが出版を用いた知の流通ネットワークを軸にした「アカデミー」である。
現在では大学は「アカデミズム」などともいわれるが、大学とアカデミーは対抗関係である。
アカデミーにおいては、大学のスコラ哲学は批判され、代わりに人文主義や自然科学といった新しい知の方法を探求していった。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 Y. Naito 投稿日 2013/1/1
形式: 新書
著者は現在、東京大学で副学長、教育企画室長、大学総合教育研究センター長といった役職に就いており、「入学時期等の教育基本問題に関する検討会議」委員も務めています。東大発で世間を騒がせている「九月入学」にも相応にコミットしているものと思われます。
ヨーロッパの歴史の中で、いかなる要請に基づいて大学というものが成立し、いかなる経緯によって日本がその制度を取り入れたのか、その後、どのように変容していったのかが、著者の観点からきわめてわかりやすく語られています。単なる制度の変遷ではなく、どういった人々が、どういった志を持って集うことで大学という場が生まれ、その後、大学に集う人々とその営みがどう移ろっていったのかという視点が与えられているため、展開が活き活きとしており、ぐいぐい読みすすめることができます。
また、多額の教育費を家庭が拠出せざるをえない状況を、国家が長年にわたって放置しつづけた結果、さまざまな歪みが蓄積した現在の日本の中等、高等教育の異形についても、端的に指摘しています。その上で、現在の日本において、大学に求められる、また大学が果たすべき使命は何かを真摯に考えることで結んでいます。学術研究としての価値は私には計れませんが、私のような生命科学を専攻する大学人にとっては、他に求めがたい価値のある一冊でした。
「九月入学」をはじめとする東大の動きに同調する
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 絵本朗読者 投稿日 2012/7/30
形式: 新書
カルスタの人が書いた大学論、というくらいの関心で読み始めたのだが、各章、各節で完結した叙述でまとまっている上に、非常にわかりやすい論理の運び、大学について語られる様々なイメージがこの本のおかげで整理された。とてもよい本だと思う。引用され根拠とされる文献も、大学論としては著名なものばかりで、なるほど、これらをまとめるとこうなるのか、という感じ。具体的にいくつか挙げると、フンボルト理念の英米への影響、シェイクスピア文学に依拠するアーノルドの試みはまるっきりベルリン大学そのものように思われたし、アメリカの古典的な大学に研究志向を追加してできたのが大学院というのも腑に落ちる。日本の大学制度の発展についても興味深い。通常は、東京大学の歴史が中心となるのだろうが、メディアという観点を中心に据える本書では、むしろ自発的なネットワークと出版メディアを備えた私学の方がオーソドキシーという扱いであるのが面白い。さらには、私学が、かたやキリスト教、かたや法律学校から出発している点が、神学部と法学部からなるヨーロッパの大学に近いという点で、国立より私学の方が大学の理念に合致しているとも書いてあった。極めつけは、官僚制的経営体としての大学の未来をどう占うか、というところだろう。もっとも、ウェーバー「職業としての学問」の文脈ではいわんとすることはよく分かったのだが、残念ながら、本書の中でおそらく最も言いたかっ...続きを読む ›
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 穴熊 トップ1000レビュアー 投稿日 2014/8/3
形式: 新書
本書は、中世の大学、近代国民国家における大学、大日本帝国における大学、そして戦後日本の大学と、大学の変遷を追い、それぞれの特徴を明らかにしたうえで、現在大学が直面している危機までも論じている。
たいへん包括的な内容だが、章ごとに要点がしっかり押さえられているので読みやすい。
また、メディアとしての大学およびリベラルアーツと専門知という視点から大学の変遷を捉えるという切り口も成功している。
とくに面白いのは、戦後日本の大学改革に関する章だ。
そこで論じられている問題は、まさに現在進行中だ。
大学はどこへ行くのだろうか?
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