女優陣が豪華ではあるが、井川遥といい浅野ゆうこといい本来女優ではないので演技がつたないし、高島礼子と松下由樹も迫力をつけるための無理な演出がめにつく。
本作品のテーマは、「一生に一度の恋」である。「わな」だと知ってあえて大奥を背にして男の手をとる絵島(仲間由紀恵)、そして絵島をかばうとどうなるかわかっていながら恋への忠誠のためにみずからの命を犠牲にする歌舞伎役者の生島(西島秀俊)。この二人が結ばれるシーンが、町人の夏祭りからの高揚から、刹那的な美を象徴する花火につつまれ、実に美しく描かれている。仲間由紀恵のラブシーンでは一番の出来だと思うし、彼女の今後も、これ以上のものはでてこないだろう。
それ以外の部分のみどころは、杉田かおる演じる宮路の不気味な空虚な表情。彼女の過去にいったい何があったのかあまり描かれることがないのに、生島の着物に火を放つ瞬間にだけ、フラッシュバックで彼女の鬱積した思いが噴出される。男に不遇な人生で、情を結べた最後のチャンスに席をたった彼女を、自分で嗤ったかのような表情だ。
脚本として、はかない恋がテーマなのはわかるが、これだけ人と予算をかけた映画なのだからもうちょっとスケールをひろげてみてもよかったのではなかろうか。