当時、幕府や奉行所、各藩は腐敗しきっていた。贈収賄が横行し、「地位も出世もカネ次第」。金策のため、不正に手を染める幕閣も多かった。数年来の凶作で餓死者が続出しているにもかかわらず、何の対策も講じない。大坂町奉行所の与力を務めた頃から、万事に清廉潔白だった大塩は義憤に駆られ、密かに武器を調達して私塾「洗心洞」を軍事基地化していく。1837年2月、大塩はついに武力蜂起する。だが、半日で幕府に鎮圧され、歴史に大きな波を起こすことはなかった。
大塩は悪政を敷く政府に敵対する「庶民のヒーロー」として祭り上げられたが、実態は違う。武力蜂起は幕府内部の人間を自認する大塩が、幕府に対して発信した「内部改革を促すメッセージ」だったのだと著者は分析する。今の日本に求められるのは、大塩のように、国の欠陥に勇気を持って進言し、それを改善する行動力を示せる存在であることを強調している。
(日経ビジネス 2003/06/16 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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