『大地』は
第一部「大地」、第二部「息子たち」、第三部「崩壊した家」から構成されます。
文庫の3巻目は「息子たち」の続きから始まり、
三部「崩壊した家」の前半部分が収められています。
軍閥の巨頭として地位を築いた三男ワンフーは、
後継者となる男の子を欲して再婚を決意し、
なんと二人の女性を娶ります。
願いがかなって男の子がひとり誕生しますが、
父ワンルンの大地への熱い思いを三人の子どもたちに託せなかったように
三男ワンフーの後継への意気込みもその子・元(ユアン)には届きません。
繰り返される歴史はもどかしくもあり、妙にリアリティを感じます。
ユアンは血なまぐさい戦いを好まず、
父の支配下から逃げだし、南の海岸都市に暮らす義母の下に身を隠します。
因習に縛られた北の暮らしと外国の影響すら受ける都会の生活への戸惑いに
国や時代の違いはあるものの、普遍的な問題として
気持ちを重ねて読み進めました。
登場人物それぞれの人となりは丁寧に描かれていて
身近にいるような気さえします。
最終巻も楽しみです。