大地の芸術祭のみならず、瀬戸内国際芸術祭、そして日本のさまざまな場所での、アートによるまちおこし、むらおこしに関わる筆者だが、その考えている範囲が幅広く、これまで理解しにくいと思っていた。しかし、この本を読んで納得することがたくさんあった。
規模の大きなイベントは一筋縄ではいかないだろうと感じていたが、予想以上に苦労を重ねていることがわかる。その過程がユーモアと愛情を込めて描かれていて、思わず笑ってしまうし、それゆえの懐の深さを感じさせた。
文章も平明で読みやすく、気軽に手にとれるボリュームで、一気に読める親しみやすい内容。読後、美術やアートに関わる良心が、一本筋を通している印象をもった。