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大地の咆哮 元上海総領事が見た中国
 
 

大地の咆哮 元上海総領事が見た中国 [単行本]

杉本 信行
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

2004年5月、在上海日本総領事館の館員が、中国側公安当局者による恫喝と脅迫に苦しめられ、自殺の道を選んだ事件は、日本人に大きな衝撃を与えた。そのときの総領事が著者である。
同年秋、一時帰国した著者は、自らの体に病巣があることを知る。医師から告げられた最終診断は末期がんであった。抗がん剤による激しい副作用と闘いながら、日本と中国の未来を見据えて書いたのが本書である。
「解説文」を執筆した岡本行夫氏(国際問題アドバイザー)はこう語る。「この本は現在の中国を分析するものとして世界中で書かれた多くの著作のうちでも屈指のものだと思う」「現役の外交官が、病気と闘う中で、自分の経験と考えを、脚色や誤魔化しなしに、そのまま我々に伝える決心をした」
著者はいう。「中国認識で大切なことは、机上の理論を排した現実に即して中国を理解することだ」と。その言葉どおり、日本人が知らない中国の実態を明らかにした大著。

内容(「MARC」データベースより)

中国は日本にとって時としてやっかいな隣国であるが、だからといって引っ越すわけにもいかない。約30年間、中国外交の第一線で活躍した元上海総領事が、知られざる大国の実態と問題点を、その歴史と現状から分析する。

登録情報

  • 単行本: 356ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2006/6/22)
  • ISBN-10: 4569652344
  • ISBN-13: 978-4569652344
  • 発売日: 2006/6/22
  • 商品の寸法: 20 x 14 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 283,212位 (本のベストセラーを見る)
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71 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 現代中国の問題を客観的に報じた書物としては、白眉である。

 我が国にとって最も危険なのは、貧乏な小国の北朝鮮ではなく、大国の中国である。そのやっかいな隣国は、一党独裁であり、したがって非民主的で、表現の自由もなく、法の支配もなく、おまけに市場経済も機能していないときている。本書を読んで、改めて現代中国の深刻ないくつもの問題を知り、呆然としてしまった。

文化大革命が真っ盛りの頃、高校生だった私は、近所の書店で「毛沢東語録」を買ってきて読んでみた記憶がある。その中に、「銃口から政権が生まれる」という記述を見て、なんとなくきな臭さを感じたが、当時は、文化大革命こそ、人間性を取り戻すためのすばらしい取り組みだと一般に評価されていた。しかし後日、文化大革命が残忍な権力闘争であったことを知って、情報が正確に伝わらない中国の不気味さを痛感させられた。

 杉本信行がプロの外交官として、情報を収集し、国益を守ってきたことに敬意を表したい。おそらく本書では、まだまだ本音を述べていないように思う。私たちがそれに接する機会があれば、幸いである。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hopino
形式:単行本
 余命幾許もない筆者は「現在の日中関係に何か貢献したい」ため、
「現代中国をどう認識し、どう対応するのか」をテーマに執筆しました。
筆者は現代中国を可能な限り広く客観的に描いたため、読めば必ず勉強になる部分があります。
個人的にはODA、台湾、リストラされた不満分子の話は有意義でした。
また農民や反日暴動など闇の部分を多く取り上げ、その闇が生まれるシステムを説明しています。
脆弱性も含めて現代中国を認識することが、チャイナリスクへの対処の第一歩だというのが、
本書の論旨だと思います。

 本書は文章と内容が硬いため、現実に中国と向き合っている人に向いています。
それゆえ読者を満足させられない点が目につきます。例えば前上海総領事という立場上、
靖国問題については歯切れが悪く、日本政府の数々の失策についてはほとんど触れられていませんし、
アメリカ等を交えた国際政治の観点が欠けています。また国内問題と経済分析については、
筆者は専門家ではないため、大部分は他文献からの引用で目新しさがなく、分析は若干甘いです。

 そんな読者にぜひ読んでほしいのが、巻末の付録「日中を隔てる五つの誤解と対処法」です。
批判だけなら子供でも、分析だけなら学生でもできますように、中国の欠点ばかりを論うだけで
何一つ具体的な対応策がない、幼稚な中国関連書が世に溢れています。本書はそれらとは一線を画し、
中国人との歴史対話という、現場における最も重いテーマについて、背景を整理した上で、
筆者の経験を基に、具体的な対処マニュアルを提示しています。これが本書の白眉です。
中国と付き合っている人は、筆者の最後の咆哮を真摯に受け止め、実行に移してほしいと思います。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
筆者の外交官としての長年のご努力には敬意を表する。誠実で真摯に仕事をされた方なのだろうということも文面から察せられる。本書の出版後、逝去されたことのこと、謹んでご冥福をお祈りしたいと思う。

ただ本の評価として言えば、残念ながら期待外れだった。内容がいかにも優等生的で、本人の回顧録のようでもあり、「自分はこのような仕事をしてきました報告」的な範囲を出ていない。内容のおそらく6割ぐらいは著者でなくても書ける学者のレポートのような感じである。

もちろんその種の本を出されることも結構だが、いまこの時期に、みずからの死期を知りつつ現役の中国エキスパートの外交官が書く本としては、いかにも惜しい。

国民はもっと知りたいことがたくさんあるはずだ。なんでもかんでも秘密を暴露せよとは言わないが、もう少しみずからが知り得た情報をもとに、著者しか書けない中国の政治・社会や日本外交の現状を生々しく書いてほしかったと思う。

体力の衰える中、ご苦心の執筆だったと聞く。ご努力は多とするが、いかにも惜しい。
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