いしいひさいち氏の作品の意味を短くまとめることは大変困難である。わたくしが一番共感した書評として『現代思想の遭難者たち』(講談社2006第一刷)について関川氏が「...バカが嫌いないしいひさいちが...」と書いていたことをあげることでご想像いただきたい。あまりにもものが見える人間がたまたま漫画を書く才能もあり、両者を一体として表現したというのがひさいち氏の作品である。あまりにもものが見えるので、全体として表現が「皮肉」となり、それが私を笑わせる。政治についてこんなに皮肉をきかせて笑わせてくれる作品はほかになく、どんなほかの作品を見てもわたくしは満足できない。熱烈なファンの言葉とお聞き流していただいて結構だが、するどい皮肉をもって批判するということはそんじょそこらの精神では出来ないのであり、こんな日本で生きていることにグッタリしている氏の思いも、まあなんとなく、伝わってきて、自民党のバカが退場して嬉しいと思ったら前原菅のガキを眺めることになって、もう日本国民止めて死んだほうがましだと思っているわたくしなどの、気持ちにぴったりする作品は、ほかにない。それで、毎晩ふとんに入るときには1冊持って、ギャハっと笑って眠りに入るのです。氏もちょっとずつお疲れが出ており4コマを2コマにするなど効率的経営を心がけておられるようだが、わたくしは4コマが好き、しかし尊敬する氏の作品に文句は申しません。合掌。