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堀辰雄というと 軽井沢を舞台にした「風立ちぬ」等で 少々甘ったるい作家と言う評価になってしまうかもしれないが ある程度まとめて堀を読んでみると それなりの苦味も感じられて 面白い。
そんな中で 本作品は奈良訪問記であるわけだが エッセイストとしての堀の 手さばきの確かさが しっかり分る作品である。堀はいつもの通り 幾分感傷的な心で 奈良をうろうろしているわけだが うろうろ具合にも 堀らしい嗜好が散見されて好ましいと感じる。だいたい 奈良を旅行すること自体 誰でも幾分感傷になるわけでもあり その意味でマッチしていると思う次第である。
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