倉敷にある大原美術館は何回も訪れましたが、美術に関心を持てば持つほどそのコレクションの質の高さに感心します。始めて訪れたのは30数年前になりますが、その後も分館を建設しそのステキなコレクションを提供してくれています。日本を代表する名美術館だと言えますね。
本書は、そんな大原美術館に展示されている美術を辿りながら西洋と日本の近代美術絵画の流れを勉強する、という意味合いの本です。冒頭に「大原美術館で学ぶ美術入門」によせて、と大原美術館長で日本を代表する高名な美術評論家の高階秀爾氏による文が掲載されています。これを読むだけで、同美術館の歴史の概観を知ることになりますし、その意味を理解できるようになっています。
コローやクールベの写実主義から始まり、マネやモネ、ピサロやシニャック、ルノアールやセザンヌといった光をどのように描くかに着目した印象派の画家の素晴らしさは多くの人が認めるところでしょう。
20世紀に入り、マティスやピカソ、ブラックが活躍し、エコール・ド・パリ時代には、モディリアーニ、藤田嗣治、シャガール、ユトリロの名画が紹介されており、日本人の愛する作品がそこに存在しています。
日本の近代絵画についても相当な頁を割いて詳しく紹介されていますので、日本近代美術史の概略を知るには好都合でしょう。
本書は、128頁のほとんどがカラー図版を掲載していますので、大原美術館の図録のような役割も果たしています。巻末に11頁に渡って作家紹介が掲載されていますので、画家を知る術に使えます。