ところが著者によれば、中大兄皇子や中臣鎌足らの実像に迫るほど、定説とは異なる謎が次々と浮き彫りになるという。本書は日本最古の正史『記紀』を中心に、大化改新を巡る舞台裏と真相を読み解くことを試みた問題作だ。
例えば、中大兄皇子が当時の民衆になぜ不人気だったのか。それは内政の充実を優先し、朝鮮半島への軍事介入を回避したという聖徳太子が執った善政の後継者という民衆の期待を、中大兄皇子が見事に裏切ったからだと指摘する。外交政策の違いや孝徳天皇擁立の背景を検証しつつ、聖徳太子の後継者で改革派の旗手こそ実は蘇我氏であり、時代に逆行した反動勢力こそ中大兄皇子や中臣鎌足だと断ずる。
古代史の定説を覆す意欲作。
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