本書で言う「Invisible Continent(見えない大陸)」とは、現在大変革が繰り広げられている、ボーダレスで実体のないビジネスの舞台である。かつてイギリス人にとっての新天地、アメリカがそうであったように、新大陸は移住者に大いなる変革とチャンスをもたらす。現に、21世紀の「新天地」でも、すでにマイクロソフトやシスコ、AOLといった移住者たちが大成功を収めている。本書の意義は、その性格を明らかにし、そこで成功を収めるための戦略とヒントを示している点にある。
まず第1章では、「Invisible Continent」を4つの構成要素に分けて説明している。それは、「実体経済の空間」「ボーダレス経済の空間」「サイバー経済の空間」「マルチプル経済の空間」の4つであり、互いに影響しあっているこれらの空間をうまく活用することが、新大陸における成功のカギを握っている。第2章、第3章では、この新大陸で富が生まれるしくみを解説。「プラットフォーム」と「アービトラージ」の意味を正しく理解し、活用することによって、チャンスをつかんだり、リスクを回避したりすることが可能になる、という点に注目したい。第4章では、「目覚めよ 企業参謀」と称して、この新大陸で成功するための戦略のヒントを提示。第5章~第7章では、国家や世界経済の問題を国ごとに解説している。そして、第8章では、国家や企業、個人がとるべき対策を提案し、教育問題にまで言及している。
ネットバブル期に書かれた本であり、情報は若干古いものの、その分析と洞察には目を見張るものがある。とりわけ本書で述べられる新大陸のルールを理解しておくことは、企業にとっても個人にとってもきわめて重要であるといえるだろう。(土井英司)
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会場の空気は皆、90年代は日本の時代。アメリカは終わったと・・・。そんな中、大前氏一人のみが、アメリカは規制緩和で生き残った企業が成長する。日本の企業で国際的に生き残れるのは十数%しかない。90年代はアメリカが繁栄の時代になると一人孤独に論述した。
私は・・・信じなかった。
バブルがはじけ、日経平均が3万円を割る変わらない90年代初頭、大前氏は東京の土地は1/5に、日経平均は9000円へ・・と10年後の日本経済をあたかも予知するような記述を紙面で発表した。
私は・・・そんな馬鹿なと思った。
日経平均が1万円を割った2001年、大前氏は国内で『新・資本論』を発表した。これは大前氏の書いた過去十数年の本の集大成であろう。
主点は21世紀の時代は4つの経済が絡み合うことを理解すべきということだ。いわゆる19世紀から続く『実体経済』。この基準で貿易摩擦を論じると答えが出せなかった80年代。原因は『ボーダレス経済』だ。そして『サイバー経済』が起こった。また、難解な『アービトラージ』。$1が$100に化けて市場を動かせるまでになった。
現在の日本の不況を『実体経済』だけで見ていると、有効需要の創出のため、公共事業が一番の対策である。しかし、そこには『ボーダレス経済』や『アービトラージ』の考えは入っていない。それが、不況から脱出できない原因でもある。
また、繁栄する単位は国が単位ではなく、人口500~2000万人単位の地域であり、日本だけでなく、中国、ロシアまでも必然的に連邦制度を施けなければ発展しない。これらの様々な提案は、10数年前の著書「新・国富論」から様々な著書で大前氏が一貫して論じてきた理論であり、本著は最近の集大成最新バージョンである。
私は・・・今回は素直に信じることにした。
そして本書は今年の春に英国で出版された第二版のさらに
最新改訂版である。うれしくてたまらない。
読みすすめていくといくつかの重要なキーワードが
提示される。
「ボーダーレス経済」、「サイバー経済」、「プラット・
フォーム」、「ゴジラ企業」、「タイタン企業」、「アー
ビトラージ」などのように響きの良いおしゃれな横文字
ばかりが次々と著者から提示されていくが、個々のキー
ワードの意味ははるかに重く、そして深い。
言葉の意味を理解することは高校生でもできるように
親切丁寧に書かれているが、この言葉
現実の社会情勢
をきっちりと把握しつつ、将来の自分の姿と日本の姿、
そして激変しつつある国際情勢を総合的に分析しつつ、
われわれ自身及び日本企業はどのように行動し、世界の
中で「勝ち組」にならなければいけないのかということを
考え抜き、行動することは至難の業である。
だからこそ私たちはこの書物を機会あるたびに何度も
何度も再読しつつ、この激変する社会に対抗できる能力
を養うためにもこの本は絶対にバイブルとなりえるの
である。
本当にすばらしい傑作である。
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