大分県は、別府温泉のイメージが強い。その温泉(地熱)が発電に有効なことが丁寧に説明されている。自然エネルギーによる発電は太陽光発電がよく話題に上るが、ここで紹介されている温泉の高温水蒸気による地熱発電や海上設置のオフショア風力発電、砂防ダム水源を利用した小水力発電は、これまであまり資料がなかった。これらの自然エネルギーは、幸運なことに日本のいたるところに存在するらしい。その意味で貴重な解説資料と言える。
著者は元通信社の記者だけあって事実の収集はしっかりしており、主に大分県の資料になるが、太陽光発電・風力発電・バイオマス発電・廃棄物発電・地熱発電・中小水力発電・天然ガスコジェネレーションなどの発電設備の所在と発電量が巻末の資料に網羅されている。自治体などで自然エネルギー発電の現状比較に役立つ資料と思われる。
福島原発関連ニュースの放送されない日が無い毎日だが、反原発を主張するだけでは今日のような高エネルギー消費社会の存続は困難と考えるべきだ。この本に示されているような、地道なエネルギー源探しが重要と思われる。