取り上げている企業は全部で15社。コンピュータ産業ではオズボーン・コンピュータ、小売業ではコーベットとモンゴメリー・ワード、自動車産業ではカイザー-フレーザーとパッカード、通信・電子機器産業ではRCA、航空業ではパン・アメリカン航空などの企業のほかに、ビール、金融、鉄道、タバコの各業界の企業、ニューヨーク証券取引所も含まれている。それぞれ、経営者の自信過剰や無知、人材難、資金不足、ブランド戦略における失敗、合併のミスマッチ、時代の変化への対応不足といった失敗理由を挙げ、そこにいたる経緯を丹念に描き出している。
本書では、まず全体像を「記録」することに重心が置かれている。このアプローチが、失敗の裏に重なり合っている無数の要因を浮かび上がらせる。たとえば、かつて小型コンピュータ分野を切り開いたオズボーン・コンピュータの倒産は、経営者の傲慢さという大きな問題のほかに、マネジャーの人選ミス、顧客管理の悪さ、他企業の参入で新たな局面に入った市場での無策ぶりなどが重なり合った結果であることがわかる。
また、政府の規制に保護され競争力を失っていたパン・アメリカン航空の倒産劇など、決して古くない問題を提供している。サクセスストーリーのように痛快な気分には浸らせてくれないが、示唆に富んだ有用な1冊である。(棚上 勉)
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様々な分野の「かつての巨人ゴリアテ」を的確な章区分で取り上げており、
巷間にあふれる失敗学、あるいは経営学のケーススタディに
そのまま取り上げても通用するような非常に密度の濃い内容。
中でも企業実学的な面では
第12章 モンゴメリー・ワード
第13章 アメリカン・タバコ
第15章 シュウィン
が参考になり、
純粋な読み物の側面からも個人実業家の盛衰を描いた
第8章 ジェームズ・リング
第9章 ドレクセル・バーナム・ランベール
が特に面白い。
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