この二人の読書談議を読むのも、もう片手では足りないくらいだろうか。でも、全然読み飽きないし、毎回新ネタがある。
今回の最大の収獲は、渡部氏の「漱石が幼稚に思えるという大変な体験」、と川端康成の小説が「全部読むに耐えなくなった」発言だ。こんな事、普通思っていても誰も発言しないだろう。そこをズバッと言い切ってしまうのが、この二人の良い所。つまり、本書はどの本を読むべきかの情報以上に、どの本が読む価値がないかの情報が、面白く且つ文字通り「有り難い」。
またこれも新ネタとして、渡部氏がかつての論敵=立花隆氏の『日本共産党の研究』を評価している。いくら仇の著書といえ「良いモノは良い」と潔く認める所にも、信頼が置ける。
ただ、普通の読書案内や名作選には挙げられてない本が殆んどであるので、ある程度の読書体験を積んでないと、著者名や作品名が知らないものだらけになるかもしれない。