内容は、ヨーロッパの華美な服装からスーツに至るまでの簡単な歴史的
経緯と、実際にスーツを選ぶ際のポイントに大別される。
著者である滝沢氏は自分のブランドも持つが、本書ではそれについての
記述はほとんどない。そういう意味ではただの紹介本とは一線を画して
いる。
また著者はモデリストとして服のパターンから縫製に至るまでの知識を
習得し、国際的な経験もある人なので、記述内容の信頼性も高い。
さて、そんな訳で実用度は高いが、ちょっと「面白くない」のが玉にキズ。
著者自身が書いたイラストなんかは豊富だが、写真が全然ない。
私のように想像力に乏しい人間は、イラストだけでなく実物を見ないと
理解できないところもあり、また写真を見て楽しむところも多いにある
わけです。
落合氏的な蘊蓄ものや、書店でよく見かける雑誌のようなカタログ販売
をしろと言うつもりは毛頭ないが、その辺のことも念頭において編集す
れば、もっと面白い内容になったような気がする。
その点がやや残念ではありました。