これまでは、高機能自閉症やアスペルガー症候群の子供達を対象にした本は、書店でも徐々に多く見られるようになってきました。しかし、いざ、思春期や大人のこうした障害を持つ人たちに対する詳しい対応書物はほとんど見られませんでした。我が子が、思春期から大人になる段階でどう対応したらよいのかわからず、親である私自身がうつ病状態になり、こんな本が出るのを待っていました。そうした意味において、この本は詳しくかつ分かりやすく書かれた画期的な書物だと思います。ただ「わかっていそうな人にわからないことを聞く」事(そもそもわかっていそうかどうか自体がわからないから)や「柔軟な考え方を身につける」事(純粋であるがゆえに思い込みを直すのは困難だから)、さらに「『怖い』と一度思ってしまったことはなかなか治らない」事(前述の理由プラス恐怖に対しては対応不可だから)などもあります。ですから、普通の人に個性があるように、本に書かれたことがすべてのこうした障害を持つ人達にあてはまるものではないことも、多くの人達に理解していただきたいと思います。