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116 人中、97人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
間違いなく良書。ただし鵜呑みは危険。,
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レビュー対象商品: 大人のための音感トレーニング本 音楽理論で「才能」の壁を越える! (CD付き) (単行本(ソフトカバー))
これまで日本では、本書のような理論と実践を兼ね備えた音感トレーニング本はあまりなかった。類書として「インプロヴィゼイションのための イヤートレーニング」が知られていたが、もともと海外の本なので日本語訳があやしかったり、段階を追った説明がなかったりと、良書ではあったものの学習者は不便を感じることが多かった。特に即興のようなより能動的に音楽に関わるような場合、演奏者においてどのような能力が必要とされるのか、という問題に対しては、従来の理論書等はほとんど、と言ってよいぐらいに触れてこなかった。さらに詳しい解説を望んでも方法論は結局のところ自分で見つけるしかなかったのだ。こうした現状において本書が出版されたことは、音楽を根本の所から学んでみたいという意欲ある学習者とっては朗報であるし、また称賛するべきことであると思う。本書は、一から音感に関わる能力を磨くために必要な知識と実践の仕方を網羅しているので、まったく何もわからない初学者でも取り組んでいけるだろう。付属のCDもあるので、より実践的にトレーニングできる。 本書にはいくつか特徴的な言葉でてくる。例えば「新型移動ド唱法」とか「絶対音程感」といった言葉である。詳しくは本書を読んで理解してみてほしいが、前者の「新型〜」の方は、バークリー音楽大学で提唱されている、半音階などを言葉で区別するやり方、―例えばドを半音上げると、ディ、ミを半音下げると、メ、など―、 と従来の移動ド唱法での譜面の視唱の仕方を組み合わせた方法である。また後者の「絶対〜」の方は、すべての音程を正しく把握し、かつ自分の声でどんな場合でも正しく表現できる能力といえるだろう。こうした能力ややり方は、非常に重要であっても従来実践方法まで含めて詳細に語られることがなかっただけに、本書を学ぶことは非常に有意義になるだろう。 ただし本書を読みつつ、いくつか気になった点がある。 本書では固定ドと移動ドの両方が紹介されており、その中で「新型移動ド」などのやり方が紹介されていくが、その固定ドと移動ドの両者の紹介の仕方はあまりフェアとはいえない。昔から「固定ド唱法は転調に強く、移調に弱い。移動ド唱法は移調に強く、転調に弱い」と言われているが、本書では移動ドの利点の移調に強い、という点ばかり強調されていて、肝心の転調に弱い部分をあまり注意していない。筆者は「あとがき」においてそれは上級者向けのことなのであえて記さなかった(実は私自身はそこが一番知りたかった)、との旨を述べ、「新型移動ド」においてどのように転調するかを概略的に述べている。しかしおそらく仮にそのやり方が紹介されたとしても、学習者の頭を混乱の渦に落とし込むだけで、支持を得なかっただろう。移動ドの最大の欠点とは読譜する以前に膨大な理論の知識と高速の判断がなければ、できないということに尽きる。つまり見ている音符がどのキーのどの位置にいて、他の音符とどのような音程を作っているのかを一瞬で判断できなければ、そもそも音にすらできないのである。それはそんなに簡単なことではない。ましてや、転調を含んでいる場合には、初見で歌うということなどは非常に困難を伴うことになってしまうだろう。本書を読んで挫折する人がいるとすれば、おそらくこの点である。つまり移動ドを行いたくても、初心者がそのスタートラインに立つまでには膨大な時間がかかる、という点を本書は軽視とまではいかないが、あまり斟酌しているとはいえない。なぜならその知識を習得させる過程を、かなりあっさりとした知識の羅列的な説明で終わらしているからである。私自身は固定ド、相対音感派であるが、問題なく視唱でき、かつ移調も転調もできる。それはなぜかというと、移動ドも固定ドも両方できるからである。どちらかの利点だけを強調するというのは、かえって学習者に偏見を植え付けてしまうだろう。 また、さらに新型固定ドについてであるが、半音階にそれぞれ独立した名前を与えるということが、果たしてそれほど良いことなのか、という疑問も湧いてくる。半音で上昇下降してゆくような場合それぞれの音に名前を与えた方が、歌いやすいだろう。しかし例えば、ハ長調と嬰ハ長調を歌う場合、半音を独立させなければ、どちらも「ドレミファソラシ」で済むが、もし独立させれば、嬰ハ長調の方は「ディリファフィスィリド」になってしまい、かえって理解しがたくなる。万能ではないのである。つまりこれは日本人にとって気軽に採用できるやり方ではないのだ。 最後にこれは私見であるが、本書の素晴らしい点は音程感とその習得に焦点を与えていることだと思う。同時に和声感の習得の仕方までも視野に入れており、そうした点は従来の解説書では触れられることがほとんど無かった。これは画期的なことであり、それだけに本書の価値は高いものとなっている。特にジャズや即興音楽をやる人達には、役に立つだろう。最初に本書でしっかりとした音程感と習得することは、音楽人生において一生の財産になるだろう。先ほど若干批判めいたことも書いたが、それは本書が様々なアイディアを提供してくれる良書だからである。私が述べたことは、全体の中ではとるに足らないことだと思うし、また本書を学ぶ価値は十二分にある。今までこのような類書がなかったが、ようやく日本語で読めるまとまった本が出た、と喜びを感じつつ、是非本書で音感トレーニングをして、音楽の根本的な能力を磨いてほしいと思う。
88 人中、73人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
稀に見る良書,
By のえる (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 大人のための音感トレーニング本 音楽理論で「才能」の壁を越える! (CD付き) (単行本(ソフトカバー))
本屋で見かけて、おや?と思い手にしたところ音感トレーニングとある。いわゆるイヤートレーニングの部類に入ると思う。 初心者向けの書籍が多いリットーにしては、分厚く、文字も小さく 一見とっつき辛そうに見えたが、購入して大正解だった。 まず、類書が余り無い。似たところで 「インプロヴィゼイションのための イヤー・トレーニング Vol.1」 があるが洋書の翻訳版なので、日本人学習者の問題を加味していない。 しかしこの本の内容は実際、著者が生徒への教育を行う中で 実践を交えながら、構築されていったようだ。 後半はCDと連動したトレーニングなのだが 質、量ともに豊富ですべてこなすにはかなり時間が掛かりそうだ。。。 すぐに効果が現れるような分野ではないが音楽を志すものなら そばに置いておいて損はないと思う。 長々と書いたが結局、ジャズスタンダードMistyの出だしのメロディ Look at meの「me」の部分を聞いて、7thの緊張感たまらんね〜! と言えるようになる。あと実際歌っても音を外さない。 7thと仲良くなる。 それをすべての音程で行ってく。そんな本。素敵♪
41 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
30年来の悲願を叶えてくれそう,
By
レビュー対象商品: 大人のための音感トレーニング本 音楽理論で「才能」の壁を越える! (CD付き) (単行本(ソフトカバー))
音感コンプレックスを克服という言葉に惹かれて購入しました。高校生からギターとベースを始めた自分は、 小さい頃からピアノをやっていた人達と比べて明らかに音感がなく、 ずっとコンプレックスを抱えたまま練習を続けていました。 そして、それはもうどうにもならない事だと思っていました。 この本では、コードの中で何度の音かとか、ある音から次の音への音程が分かるようになるための 理論とトレーニングが載っていて、どれも説明が充実していて説得力があるものばかりです。 すぐに演奏に役立つものばかりではなく、内容も分厚いので全部をやり切れるか分かりませんが、 第2章の音感の開発というところだけでも、ごく短期間で音の聞こえ方が変わってきたのが分かります。 実際、Cのコードを弾いた後、家族に適当に鍵盤を叩いて弾いてもらった白鍵の音が、そこそこ当てられるようになってきました。 今まで、自分がいかに指先だけで演奏していたか、頭で音楽がイメージできていなかったか、痛感しました。 理解を深めるために音楽理論も大量に紹介されていますが、ここは通読しなくても良いと書いてあるので、 時間がある時に少しずつ進めてみようと思います。 他の方が書いている通り、 出版社のホームページに誤植の一覧が譜面付きで掲載されているので、 理論のページを読み進めるときはそれも参照する必要がありそうです。 ちょっとそこだけは残念でしたね。 ずっと隠し続けてきた音感コンプレックス(こうして口に出すことも出来ませんでした)の解消に 光明が見えてきたように思います。 当面は視唱とCDの聞き取りが出来るように練習して行こうと思います。
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