◆阿弥陀経(あみだきょう)
極楽浄土のみごとな姿を端的に述べ、念仏による浄土往生を説いた。
現世を穢土(えど)、つまり汚れたところであると考えるようになった。彼岸の世界に浄土を求める信仰が生まれてきた。
◆大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)
悪い世の中、末世の人々のために阿弥陀仏による救いを説かれた。
この世には悪が満ちているから、善いことをするのは意義があり尊いことだ。つとめ励んで仏の道を実践しなさい。
◆観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)
阿弥陀仏と極楽浄土を心に思い浮かべる観想の仕方を教えている。
そうして無生法忍=存在するものは固定的な実体を持っていない、因縁によってすべては生じるという真理をさとること、を得る。
◆華厳経(けごんきょう)
一切の存在が相互に連関して存在している。ということに基づいて菩薩行(現実の実践)を説いている。
◆楞伽経(りょうがきょう)
禅宗に多大な影響を与えた。内容は難解で思弁的思索的。言語や文字はそれが指示する対象とは別のものであるから、それにとらわれてもならない。
ヒンドゥー教との融合の跡を示している。肉食を禁じ菜食主義を主張。
◆金光明経(こんこうみょうきょう)
国王の果たすべき義務や国家安泰を説く。奈良・平安時代に重宝されたが、今日では平素読誦されなくなった。
日本の習俗にも影響を及ぼしている。放生(ほうじょう)の行事など。
◆理趣経(りしゅきょう)
欲望をもち、煩悩に悩まされている凡夫の暮らしのなかに真理に生きる姿を認めようとするもの。
この背景として、5世紀頃からインドではヒンドゥー教が台頭し、現世肯定的なタントラ教が成立した。仏教も影響を受け、タントラ教的な密教経典が作られた。
◆仏教衰退
西ローマ帝国が衰退し、東西貿易も衰える。仏教の基盤だった商業資本も衰退する。一方、農村を基盤とするヒンドゥー教が優勢となる。