◆般若心経(はんにゃしんぎょう)
あらゆる事物は他のものに条件づけられて、その限りにおいて存在する。固定的な実体を持っていない。「空」である。
執着、悩みでもその本体は空である。だからこそ修行によってなくすことができる。空の境地を身につけたならば、すばらしい力があらわれる。
◆金剛般若経(こんごうはんにゃきょう)
人は何かにこだわったり、とどこおる傾きがある。とどこおることなく、清らかな屈託のない境地で人に尽くすべきである。
◆維摩経(ゆいまきょう)
維摩詰(ゆいまきつ)という在家の長者が、出家の仏弟子や菩薩の伝統的な考えを論破していく。世俗の生活のなかで仏教の精神を生かしていこうという運動(大乗仏教)を示した代表的経典。「空」の論理が展開されている。
◆勝鬘経(しょうまんぎょう)
国王の妃である勝鬘夫人が大乗仏教の教えを説く。出家しないで在家の人が仏教を実践する。
自らを戒める「十大受」。真理への道筋を忘れず、戒めを守る、慢心しない、怒らない、妬まない、物惜しみしない。他人による殺生も辞めさせる。貧しい人、苦しんでいる人を救う(これは大乗仏教の特徴)。救いの後は愛着の心なく、そこを去る。
◆法華経(ほけきょう)
日本仏教思想の主流となるお経。
いかなる人でも仏となる可能性がある。だからいかなる人をも尊ぶ。すべての人を拝む態度は法華経の精神。
人間としてのブッダは、人々を導くために仮に人間の姿をあらわされたのであって、実は永遠の昔に悟りを開いた「久遠の根本仏」があるという。
◆観音経(かんのんきょう)
観音菩薩さまのお名前を唱えることによって、願いをかなえてくださる現世利益的な面があり、一般受けする教えでもある。
◆大乗仏教の問題
民衆に受け入れやすいようにするために、初期仏教では禁止されていた呪句などを用いるようになった。普及には有効だったが、大乗仏教が堕落する遠因にもなった。