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最も参考になったカスタマーレビュー
5つ星のうち 5.0
知財の重要性を早々と指摘しえた1冊。,
By DJ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 大丈夫か日本の特許戦略―21世紀の戦場は知的財産権だ (単行本)
一般市民の特許に対するイメージは「発明で一攫千金」だと思われますが、産業の世界ではもっと重要なものであり、それは国内外の競合企業と戦っていくための強力な武器です。国内で争う分にはともかく、外国企業に日本の重要な特許を押さえられてしまったら、それによってどんどん日本円が海外に流れていってしまい、国内の産業の発展も滞ってしまうのです。したがって特許は企業だけの問題ではなく、国策としてこれを改革し推し進めなければなりません。現にアメリカは20世紀末から、産業で直接稼ぐよりも特許で稼ぐ政策を推進しており、これによって日本の企業は多額の特許料をアメリカの企業に支払っているという、まさに特許による国際紛争が起こっているのです。本書はそのような特許政策について、特に日本国内の問題とアメリカとの問題を主として解説したものです。10年前の本ですが十分に読みごたえがあり、文章も十分に読みやすく、まるで小説でも読むかのように読み進めてしまいました。 検査方法や手術などの医療行為は特許の対象となりませんが、医療機器や医薬品には特許がかけられます。これらの技術の主要な特許は、その半分以上をアメリカが押さえています。そして特許料は多くの場合、使った分だけ支払われることになっています。ということは、日本人が医療機関にかかればかかるほど、アメリカが潤うということを意味します。医者である私にとって、これはまさに目からウロコでした。これを読んで、なるべく外資系製薬会社の薬は使わず、国産の薬に移行しようかと思ったものです。 特許制度の大胆な改革を次々と断行した元特許庁長官・荒井寿光氏のエピソードも、私には新鮮でした。役所や官僚の仕事は極端に遅く保守的だと一般には言われ、多くの場合それは事実ですが、こういう改革のできる官僚も中にはいるのだと考えると、官僚だから保守的なのではなく、あくまでも保守的な官僚が圧倒的に多いだけなのだと感じます。 ここ十数年で日本の特許制度や、企業や大学の特許に対する意識も大きく変わり、知的財産権がより重視されるようになってきました。もともと資源のない国は技術を売るしかなく、日本はそうやって近年の発展を築きましたが、それを今後も続けていくためには国際的な特許戦略が技術そのものの次に重要です。本書を読むとそのことがよく理解できます。
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