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大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)
 
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大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫) [文庫]

島本 理生
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

徹平と暮らし始めて、もうすぐ半年になる。だけど手放しで幸せ、という気分ではあまりなくて、転覆するかも知れない船に乗って、岸から離れようとしている、そんな気持ちがまとわりついていた――。新しい恋を始めた3人の女性を主人公に、人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、みずみずしく描き上げる感動の小説集。書き下ろし1編を併録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

きっかけは本当につまらないことだった。穏やかな暮らしを揺さぶった、彼の突然の暴力。それでも私は―。互いが抱える暗闇に惹かれあい、かすかな希望を求める二人を描く表題作。自分とは正反対の彼への憧れと、衝動的な憎しみを切り取る「クロコダイルの午睡」。戸惑いつつ始まった瑞々しい恋の物語、「猫と君のとなり」。恋愛によって知る孤独や不安、残酷さを繊細に掬い取る全三篇。

登録情報

  • 文庫: 196ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/2/26)
  • ISBN-10: 4101314810
  • ISBN-13: 978-4101314815
  • 発売日: 2010/2/26
  • 商品の寸法: 15.6 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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By 夢追い虫 トップ1000レビュアー
形式:単行本
新しい恋が始まりそうな予感はあるものの、
それを素直に受け入れることのできない3人の若い女性を描く短編集です。

「大きな熊が来る前に、おやすみ。」の主人公は、
普段は優しい恋人から暴力をふるわれます。
「クロコダイルの午睡」の主人公は、
言葉で自分を傷つける同級生を好きになりかけています。
「猫と君のとなり」の主人公は
かつて、恋人から飼い猫を虐待された過去を持っています。

本の内容を知らずに読み始めたので、
まさか島本さんが暴力をテーマに書いたなんて驚きでした。

地味で、自分を見せることが苦手な女の子たち。
他人から求められ、必要とされることに不慣れだから
愛情を素直に受け入れることができない。

島本理生は地味だけどまじめに生きている女の子の心理を描くのがうまい。
私は男の人にこんな悲しい痛みを与えられたことはないけど、
地味な女の子の一人として、彼女たちの心の痛みがわかるような気がしました。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 この短編集に登場する主人公の女の子たちは、マスコミがショーバイ的に造形し、彼女たちと接点のないオジサンが勝手に夢想する“今どきの若いコたち”の規格からは外れている。例えば主人公は、「彼女に代表されるような、苦労もせずに与えられた平和の中で平気で文句を言える、そういう育ちの子たち、すべてが憎いのだ」なんて世をすねたようなことを独白しちゃうような女子なのだ。一方で「他人から必要とされたり求められることに、どうして私の心はこんなにも弱いのだろう」なんて言いつつ、カノジョのいる男にきまぐれに呼び出されると、慣れない化粧をしたり、似合わない服を買ったり、閉店間際のディスカウントストアに自転車を走らせ、ホットカーラーまで買っちゃうような面もある。このかっこ悪さ、トホホぶりが鬱陶しくも、いとおしいんだよな(いや、逆か)。でも、このイタい感じに読者は共感とか反感とか何らかの感情を触発される訳で。表向きはひとり生活に価値観を見出そうとしている主人公だけど、人一倍、人とのつながりを求めてるんだよね(ファザコン的幼児体験も起因)。しかし、こういう地味めでまじめでモテない女の子の造形って昔も今も変わんない。野暮ったくて、料理はうまくて、その実、すっげー恋愛に飢えていて(そういうコたちの男趣味ってのも昔と変わんない)。結構、そこら辺の、綿矢りさ的でも金原ひとみ的でもない、実はもっともボリュームゾーンであるだろう女の子たちの最大公約数的な心情、風俗を掬い取ってるってとこが、島本理生の評価できる点である(文学としての優劣とかじゃなく)。
 「煉瓦造りのパン屋は、小さいけれど良い仕事をしていて」なんて年長者からするとかなり恥ずかしい表現も散見するけど、その若気の至りっていうか、本人の自覚しないところで色々さらけ出しちゃっているあれこれが読んでいて楽しい。著者と主人公が等身大なんだよね。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
短編というよりは中篇三本。描き方は短めの長編という感じ。いわゆる短編らしくシーンを切り出すという感じではなく、短いながらも物語を語っている。「熊」は島本世界の既視感が強く読みづらかった。まだ表現すべきものの核心をつかみきれずにもがいている感じ。「クロコダイル」はちょっぴりミステリー感がいつもの島本世界に加えられていて新鮮。「猫と君のとなり」もほどよい緊張感が良かった。今までに培ったものをゆっくり反芻しながら、少しずつだが新しいものに挑戦している感じがある。
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