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大きなハードルと小さなハードル (河出文庫)
 
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大きなハードルと小さなハードル (河出文庫) [文庫]

佐藤 泰志
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

生と精神の危機をひたむきに乗り越えようとする表題作はじめ80年代に書き継がれた「秀雄もの」と呼ばれる私小説的連作を中心に編まれた没後の作品集。作家・佐藤泰志の核心と魅力をあざやかにしめす。

内容(「BOOK」データベースより)

「彼は憎しみでも怒りでも何でもいい、身体に満ちることを願った。…大きなハードルも小さなハードルも、次々と乗り越えてみせる」危機をひたむきに乗り越えようとする主人公と家族を描く表題作をはじめ八〇年代に書き継がれた「秀雄もの」と呼ばれる私小説的連作を中心に編まれた没後の作品集。最後まで生の輝きを求めつづけた作家・佐藤泰志の核心と魅力をあざやかにしめす。

登録情報

  • 文庫: 313ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2011/6/4)
  • ISBN-10: 4309410847
  • ISBN-13: 978-4309410845
  • 発売日: 2011/6/4
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
買いです。 2011/1/21
形式:単行本
よく行くミニ・シアター系の映画館で「海炭市叙景」の予告を見て、久しく手にすることのなかった佐藤泰志の作品を読みたくなり書庫で探すと、本書と「黄金の服」「移動動物園」の三冊が出てきました。その三冊は、おそらく作者が亡くなったあと、「ロッキン・オン」の松村雄策さんの文章で追悼とかの意味合いはなく、単に面白いと薦めてあったので購入した記憶があります。今となっては当時どういう感想を持ったのか、どころか、どういう話だったのかすら覚えていないのですが、折りに触れ「佐藤泰志は面白かった」という記憶だけは蘇ったりしていました。今回、手始めに読んだ本書は、「秀雄」を主人公にした連作短編と50ページ程度の短編が二つ収録されています。いずれもいにしえのATGの作品を思い出させる、青年の屈託がテーマになっており、人によって好悪がはっきり分かれる手触りの作品だと思います。読み直して、という表現は適切ではないのかもしれませんが、風景であったり場面であったりの転換や重ね合わせが、読みながら「あぁ、そうだった、こんな感じだった」という、錯覚かもしれませんが、そういう感慨にとらわれたのでした。月並みですが、40歳だったかの若さで亡くなった作者が今もし生きていたら、一体どういう作品を書いてたでしょう、読みたいような読みたくないような複雑な気分です。
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天性の語りか 2011/7/11
形式:文庫
文庫化された佐藤さんの作品読み5冊目。全体は2部構成になっており(佐藤さんの死後の出版だが、この構成は編集者に伝えられていたものだったのだろうか)、「I」に「秀雄」を主人公にした5編、「II」に「僕」を主人公にした2編が収められている。「I」が子どもを作りながら、故郷に対する複雑な思いを抱き、安定した生活に埋没することができずにアル中になり、そこから回復していく主人公の青春小説集だとすれば、「II」は女性との不安定な関係に答えを出そうとすることもなく生きている「僕」の物語と言える。
感じるのは、登場人物への作者の憑依する力。どこか作者本人にも通じると思われる「秀雄」や「僕」だけでなく、女性たち、不動産屋やビリヤードの女主人といった人物までが生き生きと描かれる。これは計算だけによるものではない。一度、秀雄と故郷の母親からの手紙のエピソードを振り返ろうとページを何度もめくり返したがなかなか見つからなかった。描写が予定された箱書きではなく、人物たちに乗り移った作者の心的現実としてなされているという印象を強く受けた。
読んでいる間、読む側が許されている、癒されているという、この作者から受ける独特な感情を、この作品でも味わうことができた。
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