最後まで意欲的に生きたい、そして、自分の人生を自分で決めたいというのは、万人の願い。ピンピンコロリが理想ですが、しかし、そうは問屋が卸してくれない・・のが現実です。
この本は、親から引き継いだ医療法人の大転換を果たし、新しい介護のありかたにチャレンジし続けてきた小山敬子さんの物語。とても感じるところが多い本でした。
介護は、するほうもされるほうも複雑で深刻な問題を抱えることになります。そして、人生に関わる深い問いに直面します。介護施設で人生の最後を過ごした私の両親は、最後に何を考えていたのだろうか、本書を読んで、亡くなった両親のことを考えずにはいられませんでした。
前半は、日本の医療と介護が構造的に抱えてきた(いる)問題を鋭く分析し、分かりやすく解説してくれます。国の医療や介護制度の不備、それに結果として甘えることになった国民、お金が最優先し目的化してしまった病院経営・・・これらの要素が重なり合って、現状の問題があるようです。
後半は、小山さんのチャレンジ、「大人の学校」のお話が書かれています。私は、この「大人の学校」のことが詳しく知りたくてこの本を購入しました。
学べる楽しさ、自分もできるということを再認識できる喜び・・・いろんな要素が複合し、無表情・無意欲だった老人の精気が蘇る“現場”が「大人の学校」にはあるといいます。介護施設で無表情・無意欲な老人の方たちを目にしてきただけに、それは驚きと感動があります。
制服も、卒業式も、仰げば尊しも、通信簿もある。そんなナリキリ・モードも楽しそうです。
熊本のほか東京/青山にも学校があるので、一度覗いてみることにしましょう。
本書で、小山さんの思いや取組みを知るうちに、応援したくなってきました。介護問題を扱う本で、イチオシの良書ですね。