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夢盗人の娘―永遠の戦士エルリック〈5〉 (ハヤカワ文庫SF)
 
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夢盗人の娘―永遠の戦士エルリック〈5〉 (ハヤカワ文庫SF) [文庫]

マイクル ムアコック , Michael Moorcock , 井辻 朱美
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

第二次大戦前夜、白き肌とルビー色の瞳をもつフォン・ベック伯爵ウルリックの居城に、SS将校となった従兄のゲイナー公爵が訪ねてきた。ベック家に古えより伝わる「黒の剣」レーヴンブランドをヒトラーに渡せというのだ。拒絶したウルリックはただちに収容所に連行され、拷問を受ける。やがて反ナチ組織に属するウーナという娘の助けで脱走したウルリックは、敵の追撃をかわし、地下世界ムー・ウーリアへと逃れるが…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ムアコック,マイクル
1939年イギリス生まれ

井辻 朱美
東京大学人文系大学院比較文学科卒、白百合女子大学文学部教授、作家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 511ページ
  • 出版社: 早川書房 (2006/11)
  • ISBN-10: 4150115893
  • ISBN-13: 978-4150115890
  • 発売日: 2006/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
待望の新章開幕です。ナチス統治下に生きるベック公を主人公にすえ、現代人にもなじみある第二次世界大戦期の世界観から多元宇宙へとわけ入っていくことで、ムアコックの宇宙がにわかに普遍性を帯びることが本巻の醍醐味でしょう。

<法>と<混沌>、黒の剣とルーンの杖、神々と仙境の生物たちも健在で、絢爛たる異世界奇譚も満喫できます。

古くからのファンには、かつての登場人物たちをただいまのムアコックがどのように解釈しているのか、うかがい知る余得もあります。主人公ベック公は『堕ちた天使』(集英社刊)のベック伯の末裔であり、聖杯にまつわる言及に懐かしさを覚えます。<紅衣の公子>コルムから知っている向きには、<呪われた公子>ゲイナーの原罪は感慨深いものがあるでしょう。

前巻までと比して好みは分かれそうですが、娘を前にしたエルリックの困惑や、ベック公の現代的価値観によるエルリック評など、楽しみどころは詰まっています。
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形式:文庫
しかしこれって「エルリックサーガ新3部作」ではなくて、「ウルリック・フォン・ベック・サーガ」か「呪われし公子ゲイナーくんサーガ」ではないのだろうか……

今作では、コルムやエレコーゼで出てきた「呪われし公子」ゲイナー(本名ゲイナー・パウル・フォン・ミンクト)の誕生秘話が語られます。SS大尉。

この話は、エルリックが遍歴している頃のもののようです。「聖杯」こと「ルーンの杖」も登場するし、《百万世界》の構造がかいま見れるし、ナチの面々とエルリックのご対面とかもあるし(笑)、エンタテイメント小説としては良くできていると思います。

他方、「エルリックサーガ」としてどうか、というと、エルリックをフォン・ベックという外側の目から見ることで、多少「らしさ」が失われているかな、という感じ(極論を言えば、フォン・ベックを助けるのはエルリックでなく、エレコーゼでもコルムでもいい)。そういう意味でも「エルリックサーガ」かというと、「?」かもしれない。でも、《百万世界》の物語であると割り切れればOKかな。逆に、あのエルリックを……と思うとちょっと感覚が違うかもしれません。

この巻ではゲイナー・サーガに一応のケリがつくものの、次巻に引きをつくって終わっています。どうやら、多元宇宙の秘密が今後明かされていくらしい。いまいち今巻では影の薄かったウーナと共に、ウルリック伯の活躍に期待したいです。

ところで、「アリオッホ」は改訳されるべきである。
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