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また、この小説で重要であり見事でもあるのは登場人物の造形です。主人公のラポワント警部補はザ・メインを独自のやり方で治め、街の法の象徴ですらある警官であるものの、過去の喪失と悲しみを乗り越える勇気を出せなかった人物。それと対比させるように描かれているのが、大学卒の新人刑事でラポワントの考えや行動に共感できないガットマンです。
この新しい世代と古い世代を対比させる関係は、物語では珍しくもなんともないのですが、読んでみるとこれがただの世代の違いだけによるものでないことがわかるでしょう。この登場人物たちのドラマにもやはり象徴的な諦観と悲哀、そしてある種の希望が存在します。
読んでいる途中は面白くて気づきませんでしたが、これはミステリとして読んだらお粗末な出来です。真相につながる伏線はほとんどないし、それどころか事件に存在感と魅力すらありません。しかしもちろん、それでいいのです。この小説の魅力は先に述べた雰囲気であり、それを生み出す美しい文章や随所に織り込まれた本筋でない魅力的なサブ・ストーリーなどで、求められるものは見事に満たしていました。ラストの事件解決後の感慨をもらすラポワントとザ・メインの姿が心に残ります。
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