登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
漱石の幻想的な物語,
By
レビュー対象商品: 夢十夜 (単行本)
夏目漱石による短編集。十夜分の話が一夜ずつ展開していく。夢とタイトルにつくだけあって、どれも摩訶不思議な話だ。そしてなぜかしんとした静けさに似た恐怖が胸に降る話が多い。変な夢を見てがばっと起き上がるあの心持ちにもどこか似ている。運慶が彫刻を彫っているところを眺める夢はなんだかユーモラスだ。仁王は木の中に埋まっているというのはミケランジェロの言葉を思い出させる。大理石の中に埋まっている女神やなんかを助け出すのが彼の仕事だという言葉だ。 漱石の文章は何かを描き出す時の筆致が非常に細かい所まで行き届いているのに感心するが、この作品でも登場人物の表情や服、その雰囲気などを美しくかつ正確に描写している。一つ一つの話が絵となって心に残るような作品だ。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
夢か現実か,
By
レビュー対象商品: 夢十夜 (単行本)
夢というのはとても幻想的ではあるけれど、ときどきすごくリアルに思えるときがある。そして目覚めたとき、夢の中で出会った人や出来事や、そのときの感覚を必死で思い出そうとして、でもなかなかその実体が掴めない。『夢十夜』もまさに、夢なのか現実なのかわからない目覚めたときのあやふやさの中で書かれたようなお話です。第一夜と第三夜が好きです。百合の花となって百年後(本当に百年経ったかどうかは別として)、恋人と再会するロマンティックさ。背中におぶっている自分の子どもに導かれ、だんだんと謎が明かされていく恐怖。全く違った趣を持つ話ですが、輪廻転生という点では一致しています。 金井田英津子さんの版画は、各話ごとに限定された色調で、大人のための幻想的な絵本を読んでる気分にさせてくれます。雲だたなびく満月の中で、片手をつき目を閉じている漱石を見ると(『夢十夜』がどのように書かれたかどうかは知りませんが)、こんな夢を見てそれを文字にできる漱石という人は、『こころ』や『坊ちゃん』などを書いた漱石のすごさとはまた別の意味で、すごいなあと思ってしまいます。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
漱石の夢,
By
レビュー対象商品: 夢十夜 (単行本)
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」夢でもいいからこんな言葉を吐いてみたいものだ。美しい文章なのに、恐ろしい話ばかり。漱石ならこんな夢を毎晩見ても不思議ではなさそうな、短編十話。時代を超えたり殺人者になったり、夢の話であることも忘れ引き込まれてしまう。こういう状態を「夢中」というのだろう。 金井田英津子さんの、全ページに渡る悪夢のような挿絵が効果的。時に説明的すぎてうるさかったりするが、色使いも装幀もすばらしい出来の大人の絵本。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|