1夢分析入門、2夢分析の実際、3夢分析と心理療法という夢に関する著者の三部作の一つである。1はまさに夢分析の入門で、様々な精神分析家の夢理論や分析法を紹介してあり、夢分析の概要を知るのに適している。3は臨床家向けに書かれた夢分析の技法書である。余裕のある人は、3冊全部読むに超したことはないが、もしあえて1冊というなら本書であろう。とくに自分の臨床に夢分析を取り入れたいという人は、本書を熟読すれば何とか夢分析の初心者にはなれるであろう。夢分析に関する本は、さまざまな学派のものが複数刊行されているが、特定の学派に偏したり難解であったりして、「使える」と思えるものは少ない。しかし、本書は、特定の学派を信奉していなくても(精神分析理論が分かっていなくても)、実感的かつ容易に理解することができ、すぐにでも自己分析や臨床に取り入れることができる。このわかりやすさは、本書の著者が精神分析の「対人関係学派」に属しているからでもある。また、本書の後半には、さまざまな夢がいくつかのグループに分類され、それぞれが持つ一般的意味の解説がなされており、これは非常に役に立つものである。