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面白かった理由はいくつかある。一つは、膨大な数の人に直接会って話を聞いた上で書かれている点。二つ目は―そこから必然的に出てくるものであるが―軽々しく結論づけることなく、各々の人間が持つ個別的で複雑な事情を大切に扱っている点。おそらくこれは、人間にまつわる曖昧な「灰色領域」を描写する際に文学が最も必要とする立場であるように思う。だからこそ、「やらないで後悔するよりも、やって後悔するほうがいい」という人口に膾炙するセリフにも、時に疑問を呈してみせることができるのである。また、インタビューをされている人たち全てが非常に魅力的に描かれているのは、個々の例を己だけの善悪の基準で裁くことを著者が拒絶しているからだろう。
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