著者は京都大学卒の臨床心理学者です。この本は、夢の解釈の仕方と具体例について、非常に分かりやすい言葉で説明しています。意識の世界と無意識の世界では文法が違うこと、そして無意識の世界では感じられる「関係性」が意識の世界では分かりにくくなっており、夢の中で再現されてきます。それをどう解釈するのか、という問題については、著者によるフロイトとユングの想定問答に見られるように、立場によっても違ってきます。この本でおそらく一番面白いのは、漫画「天才柳沢教授の生活」で何度も出てくる教授の夢を分析し、知性は発達しているけれども、感情面では幼児レベルの教授が、夢を通じてだんだんと現実に向かい合ってくる様子を、詳しく説明している箇所でしょう。読みやすく、分かりやすくすぐに読むことのできる本ではないかと思います