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夜 [新版]
 
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夜 [新版] [単行本]

エリ・ヴィーゼル , 村上 光彦
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

1944年、トランシルヴァニアの小さな町にドイツ軍が姿をあらわす。
15歳の少年とその家族はゲットーへ移送され、さらにアウシュヴィッツへ……、
そして強制収容所での選別、幼児の焼却、公開処刑、極寒の死の行進。

「飢え、渇き、恐怖、輸送、選別、火、煙突など。
それらの単語はいまはなにごとかを意味している。
しかしあの当時、それらの単語が意味していたのは別のことがらであった」

《人間》《神》《愛》といったすべてが死んだ極限状態を
格調高い筆致で淡々と描くこのドキュメンタリー小説は、
われわれを決して忘れてはならない記憶へと引きもどす。

「証人であろうと願う生き残りにとって、問題はいまも単純なままである。
すなわち彼の義務は、死者たちのためにも、同じく生者たちのためにも、
そしてとりわけ未来の諸世代のためにも陳述することなのである」

今なおやまぬ民族対立の時代にあって、
ホロコーストという《夜》から立ち上げるべきものを問いかけつづけるロングセラーを改訳、
さらに著者による新たな序文を付してここにお届けする。

内容(「BOOK」データベースより)

15歳の少年が経験したアウシュヴィッツを静かに崇高に綴った自伝的小説。死の淵から“人間性”“信仰”“愛”とは何かを問いかける永遠の古典を改訳でおくる。

登録情報

  • 単行本: 232ページ
  • 出版社: みすず書房; 新版 (2010/2/3)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622075245
  • ISBN-13: 978-4622075240
  • 発売日: 2010/2/3
  • 商品の寸法: 19 x 13.5 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宮寺良平 トップ1000レビュアー
形式:単行本
 ホロコーストを経験した作家Wieselの自伝的作品である。少年エリは父親と共にアウシュビッツへ送られる。生死のぎりぎりの中で二人は力を合わせて生き延びようとする。やがて父親は心身共に弱っていき、エリの重荷になっていく。看守に泣いて水を求めて叩かれたりする。そのようなことをしても無駄だということが父親にはわからなくなってしまったのだ。エリは、必死で父を励ましながら、このままでは二人とも死んでしまうという焦りを持つ。そして、朝に目覚めたエリは父親がいないことに気づく。寝ている間に父親は連れ去られたのだった。エリは、涙がでないことに良心の呵責を感じる。もう何も感じないようになっていた。
 しかし、心の奥を本当に見つめていたら、父親がいなくなって、やっと自由になったと思っている自分がいたのではないかと書いている。
 他にも衝撃的な場面がある。二人の囚人と一人の少年が処刑されることになった。この少年は皆に愛され、天使のような顔を持っていた。
三人が吊るされたとき、二人の大人は直ぐに死んだが、体重の軽い少年は半時間以上も苦しみもがきながらも、生きていた。それを囚人たちは見続けていた。
エリの後ろにいる男がつぶやいた。「神はどこにおられるのか」。エリの心の中で声が聞こえた。「どこにおられるか?ここだ。ここで神は絞首台に吊るされている」。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
14歳でアウシュヴィッツ強制収容所を体験した著者の生還までの体験記。

敬虔なユダヤ教信者であった著者は、アウシュヴィッツ強制収容所で残虐な行為を目の当たりにし、
神を「被告」、自身を「原告」とまで言い切って、その信仰を捨て去る決意をする。

信仰する神がいる場合、過酷な状況下でその信仰を維持できるかというのは、おそらく大変大きな問題であると思う。

が、私がこの本で最も衝撃を受けたのは、
彼が、神の次に、ともにアウシュヴィッツ強制収容所に収容された父親を見捨てるか否かで葛藤し始めるくだりからだ。
強制収容所到着当時は、少年である彼の全ての支えであり、何があっても握った手を離すまいとまで思いこんだ父が、
過酷な生活の中で、弱り、枯れ始め、若い息子の足かせとなっていく。

老いた親を「重荷」と感じるとき。
現代社会にも通じる問題を内包しているようで、
子の立場と親の立場、どちらの立場で読んでも痛いほどの辛さを感じた。

このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 15歳の時にアウシュビッツを経験した著者の自伝小説。

 ユダヤ人強制収容所の想像を絶する残酷な状況を、終始淡々とした文体で綴っている。

そのことが逆に読み手に大きな衝撃を与える。

 極限状態を経験している人間がどのような思考になり、どのように行動するか、主人公の少年の目を通して描かれている。

それだけではなく、その少年自身の心の動揺、正直な思いも綴られており、その記述が私の心に抉られるような痛みを感じさせる。

 少年は戦後解放され、病気で生死の境を彷徨った後、久しぶりに鏡で自分の顔を見る。

「鏡の底から、ひとつの屍体が私を見つめていた。私の目の中のその屍体のまなざしは、そののち片時も私を離れることがない。」

この小説の最後の2行は、生き残ったユダヤ人が一生背負わなくてはならない残酷な運命を表すと同時に、読む者の心を戦慄させる。
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