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夜這いの民俗学・夜這いの性愛論
 
 

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論 [文庫]

赤松 啓介
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

筆下し、水揚げ、若衆入り、夜這い…。ムラであれマチであれ、伝統的日本社会は性に対し実におおらかで、筒抜けで、公明正大であった。日本民俗学の父・柳田国男は“常民の民俗学”を樹ち立てたが、赤松は、「性とやくざと天皇」を対象としない柳田を批判し、“非常民の民俗学”を構築し、柳田が切り捨ててきた性民俗や性生活の実像を庶民のあいだに分け入り生き生きとした語り口調で記録した。『夜這いの民俗学』『夜這いの性愛論』の二冊を合本した本書は、性民俗の偉大なフィールド・ワーカー赤松啓介のかけがえのない足跡を伝える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

赤松 啓介
1909年、兵庫県生まれ。2000年逝去。専攻は民俗学、考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 326ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2004/6/10)
  • ISBN-10: 4480088644
  • ISBN-13: 978-4480088642
  • 発売日: 2004/6/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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36 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 この内容は決して空想物語ではなく、著者が自ら体験した夜這いの実態を書いているので、真に迫っています。しかし、語り口調がどこか牧歌的な雰囲気を持っているので、おっとりと読んでしまいました。
おそらくは著者の記憶の中で誇大に表現している部分もあるでしょうが、多分(としかいえないが)大方の実体を把握しているのではないでしょうか。
特に「柿木はありますか?」から始まる後家や主婦たちによる「筆おろし」の箇所は読んでいて引き込まれほど艶かしいものがあります。なんというか、ほのぼのとした大らかな世界が、つい数十年前まで日本の特に農村部に風習として残っていたのかと驚きをもって読みました。

考えてみれば、『万葉集』においても16巻などでは、男女がそれぞれのあそこを題材に歌を詠んだりするなど、大胆豪放な世界が上代でも見られたことから、もしかしたら、実は日本人は昔から性にたいしては大らかで、それを現代の私たちも遺伝子の中に引き継いでいるのではないかと思いました。

「夜這い」の結果妊娠した場合の掟も、村落共同体を守るということが根底にあると思います。
民俗学者が触れなかった部分を実体験に基づいて書いているところにこの本のよさがあると思います。

このレビューは参考になりましたか?
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
前提として、面白い本ではありました。
しかし、「柿もぎ」や風呂屋などの同じ話がしつこいほど繰り返されていて閉口。
近所によくいる、何度も同じ話を繰り返すおじいちゃんの相手をしているようで、ちょっとイライラしました。
実体験を書きたいのか、調査した結果を書きたいのか…もう少しまとまりがある書き方をしてもらえていたら、本当に興味深い本だったと思います。

個人的には筆者が「ここに書くのは憚られる」と書いていたカカアのあからさまな話や、若衆入り、水揚げする男女の体験談など、もっと個人に突っ込んだ話も読みたかったです。
女性の側の記述が少なく「性愛論」としても物足りないし、「体験記」としても物足りない。

柳田国男や他の民俗学者を批判されていますが、学者としての批判とは別に、個人的な感情論で批判しているように受け取れる部分もあり、それも気になりました…。
同じ話の繰り返しや批判に文字数を割くくらいだったら、他のことを書いてほしかった。
興味深いことを書いているのに、読み返すのに気合がいる本。
このレビューは参考になりましたか?
24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 哲学する河童 トップ500レビュアー
形式:文庫
日本で民俗学者と言えば、柳田国男を真っ先に挙げる人が多いのだろうけど、その柳田は「性とやくざと天皇」を民俗学の対象としなかった。

著者は柳田(派)のその姿勢を痛烈に批判しており、本書はその「性」の部分を扱ったものであると言える。

「夜這い」というのは戦前、場所によっては戦後まで残っていた慣習らしい。

男女共、だいたい13歳頃になると、異性の年長者から性的な教育をされて、その後お互いに夜這いの対象となる。

で、読むまでの勝手のイメージとしては、男性優位で全くルールが無い、みたいな感じだったけど、全然そういうことはなく、ムラによって様々な規則があって、男女共相手にされない人は相手にされなかった様子。

一番安心したのは、男女平等だということ(多分)。

男が勝って気ままに、というのではなく、基本的には女性の側にもその意志があって初めて成立したもののよう。もちろん女性の側から誘うこともあったらしい。

そして、筆者の一番の強みは、解説で上野千鶴子が

「赤松民俗学のすごいところは、土地の古老に聞いた、という域をこえて、『わたしが実際に経験した』というところにあった」

と指摘しているように、明治生まれの筆者が実際に夜這いを体験して育ってきたというところである。

本書を書いた時は多分もう80代だったのだろうけれど、よく覚えてるなあと思うぐらい生々しい記述。また、いくらその頃のムラが開放的であったとしても見知らぬ民俗学者なんかに本当の性生活なんぞ教えるわけもないので、信頼されないと真実を語ってくれなかったらしいが、筆者はその点そういったムラ育ちであり、行商人として様々なムラの人と交流しており、実際の様子を丹念に聞き出せていたらしい。

また、筆者は兵庫県の出身であり、出てくるのはほとんど関西の地名である。なので、関西在住の方は読んでて面白いかも。

しかし逆にそれは、関西のみの調査を、一般化してしまうおそれもあるということ。

筆者もそれは十分に気をつけてるようだが、とりあえず筆者自身が体験したことは嘘ではない(はず)なので、ほんの少し前の日本はこんな感じだったのか、とある程度想像するための参考資料としては申し分ないはず。

現在の生活とは全く違うが、それを「不道徳」だの「汚らわしい」だの、嫌悪の対象にするのは間違っている。

ただ上にも書いたように、記述があっけらかんとしているけれども生々しいので、そういうのが苦手な人にはオススメできない。
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