絶対面白いと思うのに。
レビュー少ないですね!
久能先生お得意の、執着という愛を描いたお話の凝縮版といっても過言ではないと個人的には思っています。
青の軌跡のカイと三四郎の関係とも似た、きれいなだけじゃ終われない関係を描いた物語です。
あちらは人間模様や設定が複雑だけど、こちらは単純です。
登場人物は夏休みに帰省した仲のいい主人公と幼馴染の後輩。「好きなものは好きと言えばいいのよ」、とそそのかす情念?に絡めとられ、二人はそれまでの関係を崩していく、というお話です。
相手を欲する恋心、と言うより、切迫した焦燥感のような度を越した感情の描き方は、何度読みなおしてもどきどき・はらはらします。
徐々に好きになっていく、みたいな恋愛のプロセスを描いたものではなく、はじめからあるものに気がついて、よりあぶり出されて、その感情にどんどん堕ちていく模様を書いた話です。その手のものはたくさんありますが、ツボは最後まで、両者にそういう関係になってしまうことへの葛藤があることです。背徳的な話で決して王道ではありません。でも、何度読んでも面白いから手放せない1冊です。