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シモンズといえばミステリ「雪嵐」を書いて、器用なところを見せていたが、
正直なところ「雪嵐」はミステリのファンを納得させる出来では無かったように思う。
そのあとに発売されたのが「夜更けのエントロピー」だが、
帯のコピー「わたしはシモンズを畏怖する・・・スティブン・キング」の宣伝も大げさでない短編が揃っている。
「黄泉の川が逆流する」では死んだ人を死後生き(?)させる協会に入った家族の寂しい話。
マキャモンの「少年時代」のエピソードを彷彿とさせるような、優しく悲しい短編。
「夜更けのエントロピー」は事故で息子を失った父親が、事故後に人生が崩れながらも残った娘の日々に何かが起こるのではと心配しながら毎日を過ごす話。
映画「アモーレス・ぺロス」で、不慮の事故で人生を変えざるを得なくなったモデルの話にも共通する恐ろしさ、やりきれなさ。
恐ろしく悲しい話なのに読み終えた後に体中がやさしい涙にあふれるような、そんな気持ちになる。
それぞれの短編同士の統一感はないけれど、完成度の高い短編が7作。
レイ・ブラッドベリやジェームス・ティプトリーJrを好きな人にもお奨めです。
早川のSF傑作選とかの劣化版を読んでいるような感じ... 続きを読む
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