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山で迷い、暗くて押さえつけられたような夜を過ごし、やっと薄明かりがさして来て「これで進むことが出来る」とほっとしてはいるが、どこへ出るのか不安もある、本当に題名どおりの「夜明け前」の雰囲気で終わる第一部。ここで「大政奉還、さてどうする」という会話の最後に主人公が言う「まあ、賢明で迷っているよりかも、愚直でまっすぐに進むんだね」という言葉が心に残り、第二部ではどうなっていくのだろう、と思わせます。
実は「ふるさと」に描かれた藤村の言葉、馬籠の情景の優しさに惹かれ、子供向けでないものも、と読み始めました。「幼きものへ」「ふるさと」に通うやさしさと、「破戒」に通じる内面の苦悩描写(優しさがある分だけ苦悩も深いのでしょうか)、加えて歴史的な大きな視点、と多くの物が含まれている、やはり大作です。
余談ですが、「・・・・からで。」という書き方が随所にあり、あまり見慣れない文体なので面白いと思いました。藤村の他の作品では気づかなかったのですが、この作品だけなのでしょうか。
上下、に分かれている巻をそれそれ、を別個に評価するのは難しいです。
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