9編の短編集です。
どんどん読み進めたくなるような面白さはありません。
でも、情景を思い浮かべると不思議な美しさがあります。
少年たちが野球をする側で、
椅子を互い違いにいくつも組み合わせて練習をする曲芸師。
エレベーターボーイとしての職務を果たすのに
ぴったりなサイズで体の成長が止まってしまったエレベーターボーイ。
一言でいうと「絵になる」短編集です。
小説を楽しむってこと以外に、
ちょっと風変りな絵画展を鑑賞するような味わいがあるのです。
ただ美しいとか怖いんじゃなく、
ブラックユーモアのようなスパイスの効いた恐怖とでもいうのでしょうか。
小川洋子さんならではのシュール感。
独特の空気が不気味で、でもどっか面白みもあって・・・。
夜明けの縁・・・ギリギリの境界を漂うような不思議な感覚に酔えました。