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夜想 (文春文庫)
 
 

夜想 (文春文庫) [文庫]

貫井 徳郎
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

事故で妻と娘をなくし、絶望の中を惰性でただ生きる雪籐。だが、美少女・天美遙と出会ったことで、雪籐の止まっていた時計がまた動き始める。やがて、遙の持つ特殊な力は、傷ついた人々に安らぎを与え始めるが…。あの傑作『慟哭』のテーマ「新興宗教」に再び著者が挑む。魂の絶望と救いを描いた、渾身の巨篇。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

貫井 徳郎
昭和43(1968)年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。平成5(1993)年に、第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった「慟哭」で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 542ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/11/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4167682036
  • ISBN-13: 978-4167682033
  • 発売日: 2009/11/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
初出が『別冊文藝春秋』第261号から第269号の連載小説だった本書は、貫井徳郎が衝撃のデビュー作『慟哭』のテーマ<新興宗教>に再び挑んだ作品。

32才の雪藤(ゆきとう)は、交通事故で愛する妻と幼い娘を失い、絶望の中にいた。ある日、他人の持ち物からその人の「過去」や「思い」が“見えて”しまうという特殊な能力を持った女子大生、遥(はるか)と出会い、彼女が雪藤の落し物から彼の「哀しみ」にシンクロして涙を流してくれたことにいたく感激する。やがて彼女から“救われた”と信じる雪藤は遥の能力をもっと多くの人に役立てたいという力に巻き込まれてゆく。

有名になった遥は、次第に組織化され、遂に≪コフリット≫という会員制の団体の代表にならざるを得なくなり、会社を辞めた雪藤は、世間から見れば新興宗教の教祖としかうつらない彼女を助けて奔走する。貫井徳郎の筆は、あくまで状況を粛々と描いているが、肥大化する遥をとりまく環境に突き進んでゆくその姿は、ある意味狂気を宿したかようでもある。

ストーリーは、≪コフリット≫がふたりの手の届かない部分で次第次第に大きくなってゆき、組織作りの経験者を名乗るいまひとつ心を許せない男の登場、若いスタッフたちとの軋轢などがあって、クライマックスの遥の講演会へと進んでゆく。そこで起こる事件が転機となり、結末に至るのだが、“救われた”と思っていた雪藤は、はじめて自らの立ち位置を自覚するのである。

本書は、特殊能力を題目にしたエスパー小説でもなければ、<新興宗教>を主眼に置いた社会派小説でもない。あえて言えば“救われる”とはどういうことなのかを世に問うた、貫井徳郎が抑えた筆致で切々と綴る人間ドラマの秀作である。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ハルカのことを知ってもらうには人を集める必要がある。
人が集まれば本来の理念にそぐわない人間も出てくる。
組織が大きくなればなるほど、理念もどこかに行ってしまう。
「たくさんの人に知ってもらいたい」という望みと
「あくまで初志貫徹したい」という望みが相容れないのは仕方ないと思いつつも、
やるせなさを感じました。
雪藤については、最初はまともでだんだんおかしくなっていったと
思っていたけれど、ラストを読んだら、
案外早い段階で狂気が潜んでいたんだなぁという気がします。
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形式:単行本
初出が『別冊文藝春秋』第261号から第269号の連載小説だった本書は、貫井徳郎が衝撃のデビュー作『慟哭』のテーマ<新興宗教>に再び挑んだ作品。

32才の雪藤(ゆきとう)は、交通事故で愛する妻と幼い娘を失い、絶望の中にいた。ある日、他人の持ち物からその人の「過去」や「思い」が“見えて”しまうという特殊な能力を持った女子大生、遥(はるか)と出会い、彼女が雪藤の落し物から彼の「哀しみ」にシンクロして涙を流してくれたことにいたく感激する。やがて彼女から“救われた”と信じる雪藤は遥の能力をもっと多くの人に役立てたいという力に巻き込まれてゆく。

有名になった遥は、次第に組織化され、遂に≪コフリット≫という会員制の団体の代表にならざるを得なくなり、会社を辞めた雪藤は、世間から見れば新興宗教の教祖としかうつらない彼女を助けて奔走する。貫井徳郎の筆は、あくまで状況を粛々と描いているが、肥大化する遥をとりまく環境に突き進んでゆくその姿は、ある意味狂気を宿したかようでもある。

ストーリーは、≪コフリット≫がふたりの手の届かない部分で次第次第に大きくなってゆき、組織作りの経験者を名乗るいまひとつ心を許せない男の登場、若いスタッフたちとの軋轢などがあって、クライマックスの遥の講演会へと進んでゆく。そこで起こる事件が転機となり、結末に至るのだが、“救われた”と思っていた雪藤は、はじめて自らの立ち位置を自覚するのである。

本書は、特殊能力を題目にしたエスパー小説でもなければ、<新興宗教>を主眼に置いた社会派小説でもない。あえて言えば“救われる”とはどういうことなのかを世に問うた、貫井徳郎が抑えた筆致で切々と綴る人間ドラマの秀作である。
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予想を良い意味で裏切るヒューマンドラマ
事故で妻と娘を亡くした主人公、偶然出会った少女は人の過去を読める不思議な能力を持つ。新興宗教を舞台に人間と救いを書き尽くした作品。社会派風だけど実は超暖かくて人間... 続きを読む
投稿日: 11か月前 投稿者: dash_komiya
宗教にはまるのはこんな感じなのだろう
新興宗教というのは、このようにして発生して、途中のうよう曲折を経て、このような形で崩壊していくのだ…というのを物語風に詳しく描写してある小説。... 続きを読む
投稿日: 11か月前 投稿者: いんてきふこ
新興宗教に限らず、宗教というのは、その始まりはこういう些細な事からスタートしていくのではないかと思った
やはり貫井徳郎はプロの作家だ。とにかく読ませる。... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: 暮坂透
この作家さんにとって救いとは?
貫井さんの著作を読むのは3作目でしたが、
この人の作品はどうも「これは傑作だ!」と人にすすめられない。... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: dpn
あえて解決策を提示しない
崇高な目的で始めても、いろいろな問題から逃れられない新興宗教や自己啓発団体の問題をリアリティをもって描いている。... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: adong
慟哭のあとに、なにかを見つけた?
良く、「慟哭」と比較される作品です。
貫井氏は、丁度、真逆のストーリーで書こうとしたのでしょう。... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: Sieben Leben
お見事
非常に良かったです。読み終えたあと、思わず拍手を贈りたくなりました。ストーリー自体は簡素なもの。しかし、それを魅せる圧倒的な文章力に舌を巻きました。難単語を用いず... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: jude
恋愛小説?
「愚考録」、「慟哭」を読んで「夜想」も読んでみました。... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: pan-pan-pandaman
最後のメッセージは心に響きました。お勧めの一冊です。
この本は貫井徳郎さんによって書かれた本です。実はこの著者の本を読むのはこれが初めてです。まず作品の本題に入る前に彼の文章の流れについて感想を述べたいのですが、無駄... 続きを読む
投稿日: 19か月前 投稿者: Dinapoli Rider
読み方、気を付けて!
読み方、失敗した。

帯の解説をへんに解釈して、「慟哭」の逆バージョン?... 続きを読む
投稿日: 2010/3/16 投稿者: pampino
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