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夜啼きの森 (角川ホラー文庫)
 
 

夜啼きの森 (角川ホラー文庫) [文庫]

岩井 志麻子
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

未曾有の惨劇は月夜の晩にやってくる――。伝説の大量殺人を描く渾身作。

古い村の因習、戦争、家族の歪な内実、人間の業、性の深淵……。昭和13年、岡山県北部で起こった伝説の「三十三人殺傷事件」。狂気か、憤怒か、怨恨か。異形の鬼は満月の夜に強硬へと走り出す。著者渾身の長編力作。


内容(「BOOK」データベースより)

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。鬼が来たんじゃ」。昭和十三年、岡山県北部で起こった伝説の「三十三人殺傷事件」。おとなしく、「利発でええ子」だったはずの辰男は、なぜ前代未聞の凶行へと至ったのか。狂気か?憤怒か?怨恨か?古い村の因習と閉ざされた家族の歪な様相、人間の業と性の深淵を掘り下げながら、満月の晩に異形の「鬼」となって疾駆する主人公を濃密な文体で描き出した戦慄の長編小説。話題の女流作家が切り拓いた圧倒的迫力の新境地。

登録情報

  • 文庫: 300ページ
  • 出版社: 角川書店 (2004/05)
  • ISBN-10: 4043596049
  • ISBN-13: 978-4043596041
  • 発売日: 2004/05
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 62,345位 (本のベストセラーを見る)
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独特の世界 2005/11/7
By ナオミベインブリッジ VINE™ メンバー
形式:文庫
かの有名な松本清張の「闇に駆ける猟銃」、そして筑波昭の「津山三十人殺し」に詳しい大事件をもとに、彼女独特の世界を繰り広げた作品。貧困と無知とそして閉鎖的な村の、インモラルでなおかつ「伝統的な」淫靡な日々。そこから生まれた「鬼の子」のたどらざるを得なかった道のりを、ネチネチとした岩井ならではの岡山弁でつづっている。
読むにつれ、不幸せな人々の、汚れた、それでいて必死な毎日が、読んでいるこちらにも重く澱のように積もってくる感じだ。最後の破綻は、この小説内ではそれほど詳細にふれていない。しかし、全て「清算」が済んで気持ちがよいような気にさえなった。
それにしても、作者の、この暗くて重くてネチネチした感じは貴重だとあらためて感じました。
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By
形式:文庫
本作は長く世界記録であった短時間同一犯人による大量殺人事件を題材にした伝奇ホラー「小説」である。プラスの材料としては、惨劇の舞台となった農村が著者の得意分野である岡山弁が使える場所であったこと、著者の敬愛する松本清張もまたモデルとなった事件を、こちらはドキュメンタリーとして扱っていること、マイナスの材料はモデルの事件の形を尊重したため、いつものホラー小説世界とやはり多少の味わいの違いがあることだ。
しかし、事実を極力いじらず、記録に残らぬ部分に目に見えぬ恐怖をたっぷりと塗り込めて奇怪な全体像を再生してみせたやり方は「実話に材を取る小説」という形式である以上、バランス的に正解だ。
ただの悲しく怖い小説として読んでもちろんかまわないのだろうが、前述の松本清張の「闇に駆ける猟銃」、また物語の導入に本事件を埋め込んだ横溝正史の「八つ墓村」、事件そのものの詳細な記録として筑波昭の「津山三十人殺し」などへ伝奇から事実へと辿って読むのもおもしろいだろう。本書と実際の事件、その差異の中に著者の才能を再確認することができるだろう。
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形式:文庫
 この作品では、「三十三人殺傷事件」の犯人である辰男の姿が、辰男の周囲の人物の目から間接的に描かれている。そのせいで、辰男自身のことを読者が正確に理解することはないが、そもそも、人間関係というのはそういうものである。主体となる人物を読者が客観的に評価できるという点で、新しい小説だと思う。
 ちなみに、私は辰男に少しばかり惚れてしまった。女たちの視点から見た厳しい評価の後でも、辰男のか弱く、狂気的で、艶めかしい姿には誘惑される。これを美と呼ぶかどうかは人それぞれだろうが、美少年・美青年が好きな方はぜひ一読して欲しい。 
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